新生K-1最大の決戦が大成功で、RIZINとの夢の対決がさらに遠のいた

スポーツ報知
史上初の3階級制覇を果たしベルトを巻いた武尊(カメラ・越川 亘)

 全24カード10時間にも及ぶ、新生K―1史上最大のビックマッチ「K―1 WORLD GP~K’FEST.1~」が21日、さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで行われた。エースの武尊(26)=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST=がメインイベントで、史上初の3階級制覇を果たし、超満員札止め1万5000人の大観衆を沸かせた。

 5月には総合格闘技イベント「RIZIN」が、昨年に続き2度目の福岡開催と、日本格闘技が再び過熱している。その一方で、21日のK―1で武尊との防衛戦が決まっていた、K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の大雅(21)が王座を剥奪され、試合がキャンセルとなる事態が起きた。大雅が所属する「TRY HARD GYM」に契約違反があったとされ、リング外での騒動にも注目が集まっている。

 「TRY HARD GYM」の代表代行を務める大雅の兄・HIROYA(26)は16日に弁護士同伴のもと会見を開き、王座剥奪と所属選手の試合中止について「契約違反はしていないということを言わせてください。昨年末、大雅が『RIZINに参戦するか、しないか』という話が出ていたので、(契約違反の指摘は)この件に関してだと思われます」とコメントした。

 これまで、K―1所属選手が他の大会に出場した経緯もあり、事後報告になることもあったことを説明。しかし年末のRIZINへの出場は了承されず、やむなく出場を取りやめ「もしそのまま出場をしていたら契約違反になっていたのだと思います。今回、試合をしてませんので、契約違反ではないと言い切れます」と訴えた。

 K―1サイドは2月の会見で、TRY HARD GYMの契約違反を発表。一度は話し合って、契約継続となったが、同ジム側から合意事項の「一方的な破棄を含む不当な要求」があり、この要求が通らない場合は「試合に出場しない」という主張があったことを明かした。同ジム所属選手の今後の試合と、21日の大雅の試合をキャンセル。大雅が保持していた王座の剥奪を発表した。

 2015年に旗揚げされたRIZINには、K―1から、武尊、HIROYAの2選手が年末の旗揚げ大会に出場、16年9月には、木村“フィリップ”ミノルがMMAに挑戦したが、以降の大会にはK―1所属選手は出場していない。

 RIZINの高田延彦統括本部長(55)が、SNSで武尊に“夢の対決”を呼びかける発言をして、炎上。その後、削除、謝罪をするなど、両団体は相互にアンタッチャブルな状況となっている。格闘技ファンが望むRIZIN対K―1の夢の対抗戦がいつか、実現する日は来るのだろうか。(記者コラム・小林 久剛)

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