中邑真輔、ブルーノ・サンマルチノに捧げるWWE王座奪取なるか…金曜8時のプロレスコラム

スポーツ報知
WWE王者・AJスタイルズ(左)と中邑真輔

 米ルイジアナ州ニューオーリンズで8日(日本時間9日)に開催されたプロレス世界最大の祭典WWE「レッスルマニア34」で日本人スーパースター、中邑真輔(37)がAJスタイルズ(40)のWWE王座に挑んで敗れ、ガッカリしたことを先週書いたが、またチャンスが巡ってきた。

 サウジアラビアで4月27日に開催される「グレイテスト・ロイヤルランブル」で再挑戦することが決まったのだ。「レッスルマニア34」では試合後に、急所攻撃の暴挙でヒールに転向した中邑は「AJスタイルズ、お前の痛いところを攻めて、タイトルを奪ってやる」とさらなる急所攻撃を示唆して挑発した。一方のAJは「本性を現した中邑に報復してやる」と反則も辞さない構えで、大いに荒れそうだ。

 この発表と同じくして、WWEでは、元WWWF(現WWE)世界ヘビー級王者のブルーノ・サンマルチノさんが亡くなったことを発表した。82歳だった。19日、WWEジャパンの公式ツイッターでは「殿堂者、ブルーノ・サンマルチノ氏が82歳でご逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします」と伝えている。

 サンマルチノさんは、WWWF世界王座を日本に知らしめた存在として有名だ。持ち前の怪力を生かした必殺技「ベアハッグ」で「人間発電所」の異名を取った。1935年10月6日にイタリアで生まれ、59年にプロレスラーとしてデビューすると63年にバディ・ロジャースを破って、WWWF世界ヘビー級王者になった。67年3月に日本プロレスに初来日し、ジャイアント馬場さんが持つインターナショナルヘビー級王座に挑戦。以後、馬場さんと名勝負を繰り広げた。

 馬場さんが72年10月に全日本プロレスを旗揚げすると最初のシリーズに参戦し、友情を見せた。そして1999年5月2日に東京ドームで行われた「ジャイアント馬場『引退』試合」(馬場さんの追悼試合)では、ジン・キニスキー、ザ・デストロイヤーとともにリング上で10カウントゴングを聞いた。これが日本のリングでの最後の雄姿となった。

 WWWF(その後WWF→WWE)は、新日本プロレスと提携し、ボブ・バックランド、ハルク・ホーガンら歴代王者よって、日本にその名をとどろかせたが、その元祖がサンマルチノさんだった。その王座に日本人スーパースターの中邑が挑むという名誉。

 日本プロレスでジャイアント馬場(VSサンマルチノ)、新日本プロレスでアントニオ猪木(VSバックランド)、藤波辰爾(VSバックランド、ホーガン)、SWS時代には谷津嘉章(VSホーガン)が挑んで奪えなかった歴史的至宝なのだ(猪木は幻の奪取)。ヒールとしての中邑には、どんな手を使ってでも奪取してほしい。

 この「グレイテスト・ロイヤルランブル」は、WWEとサウジアラビア王国との長期的なパートナーシップの一環として開催され、WWEネットワークでは、日本時間4月27日深夜1時にライブ配信される。WWE王座戦のほかにも、50人のスーパースターによる「グレイテスト・ロイヤルランブル」、ブロック・レスナーVSローマン・レインズのスティール・ケージ・マッチ形式でのユニーバサル王座戦、ジ・アンダーテイカーVSルセフ、ジョン・シナVSトリプルHなどの試合が予定されている。サンマルチノさん追悼にふさわしいビッグマッチとなることは間違いない。(酒井 隆之)

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