「これから本当のチャンピオン像を見せていきたい」オカダ・カズチカ、前人未踏のIWGPヘビーV13への誓い

2018年6月9日11時0分  スポーツ報知
  • 7日の調印式で最強挑戦者ケニー・オメガとポーズを決めるオカダ・カズチカ(左)。絶対王者としての熱い思いを明かした

 新日本プロレスの大看板に成長した30歳のスーパースターは、どこまでも貪欲だった。

 9日の新日本プロレス大阪城ホール大会でIWGPヘビー級王座をかけて激突する王者のオカダ・カズチカ(30)と挑戦者・ケニー・オメガ(34)が7日、東京・目黒の新日本社で調印式に臨んだ。

 2016年6月19日に内藤哲也(35)からIWGP王座を奪還して以来、史上最多となるV12を継続中のオカダ。この日も昨年の大阪大会で12戦中唯一の60分フルタイム引き分け防衛となった相手・オメガを隣に「長かったです。去年のオメガとの60分引き分け。その後にG1の公式戦で負けた。1年かかって、大阪城の60分引き分けの続きを今、見せられるのは自分の中で楽しみしかありません。しっかり防衛したい。無制限3本勝負ということで、時間を気にすることなく、3本勝負というルールも楽しんで、素晴らしいチャンピオンというのを、世界に見せてやりたいなと思います」。引き締まった表情で言い切った。

 オカダが口にした通り、試合形式は前代未聞の時間無制限3本勝負。これまでのプロレス史上最長試合、87年10月、巌流島決戦でのアントニオ猪木対マサ斎藤戦の2時間5分14秒を超えるのではという“危険過ぎる”予想も浮上しているが、「引き分けがイヤなんで、無制限にしてもらっただけです。1本目(のフォール)が取れることが大事なことだと思います。去年の戦いを見てもらっても分かるように1本取るのに60分かかってしまったら、どちらもフラフラの状態になる。その状態で2本目、3本目と戦わなければいけないのは不利なんで。いかに早く1本目を取るかを考えてやっていきたいです」とオカダ。

 「コンディションはいいです。久しぶりですね。トレーニングに集中できたので。V12やってきましたけど、今が一番強いんじゃないか。最強なんじゃないかと。ケニーには申し訳ないですけど、そう思います。なかなか勝てないオカダ・カズチカになったんじゃないかと思います」と絶対王者は自信をのぞかせた。

 あまりにまぶしい、その笑顔。日本プロレス史上最高峰の価値あるベルトを丸2年間、巻き続ける勝者の恍惚(こうこつ)とはどれほどのものか。一方、今回、迎えるのは最強の挑戦者・オメガ。自分の腰にあって当たり前のベルトを失う不安は頭をよぎらないのか。そんな疑問が頭をもたげたから、そのまま聞いた。

 「今回、防衛すれば丸2年間、ベルトを巻き続けることになる。28歳から30歳までの2年間、ずっとチャンピオンであり続けるというのは、どんな気持ちなのか?」

 あまりに抽象的な質問だっただろうか。オカダはこちらをじっと見つめると、「まあ…」と一瞬詰まった後、「それがゴールじゃないですからね」。ポツリとつぶやいた。

 「まだまだ続いていきますし。2年間、チャンピオンだから、どうとかというのはないです」と静かに話した後、「まだまだ、僕の中ではV12を達成して、やっと、これから見せていくことだと思っているんで。本当にオカダ・カズチカ…。チャンピオンというのをこれから見せていきたいです」と一気に続けた。

 5月4日の福岡国際センター大会で、IWGPヘビーV11の記録を持ち、この10年間の新日を支えてきた棚橋弘至(41)を破り、V12の新記録を樹立したオカダ。「100年に1人の逸材」として長年、エースの座に君臨してきた棚橋に圧勝したことで、これまで団体の中で最も強くても、どこか“次男坊的ポジション”に安住してきたかに見える、その口から「本物のチャンピオン」という言葉が飛び出したから、重ねて聞いた。

 「それは棚橋を破ってV12を達成したことで生まれた気持ちか?」

 「そうです」と即答したオカダはギラリと目を輝かせると、「V11が今までの記録だったので、それを超えて、いろんな記録を塗り替えたからこそ、新しいチャンピオンを見せていかなきゃいけない。正直、ここでつまずくわけにはいかないと思ってます」ときっぱりと言い放った。

 「僕はIWGPが最強なんだよというのを世界中に見せたいだけです。先頭に立って、ただ、この素晴らしさを広めていきたいというだけです」と、いつにも増して冗舌に語った30歳の絶対王者。今、自らの中に生まれた「新エース」としての自覚のもと、最強ロードを歩み始めた男から一瞬たりとも目が離せない。(記者コラム・中村 健吾)

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