山陽オート・第24回平成チャンピオンカップ(G1)最終日

スポーツ報知
有吉辰也

 これは夢じゃない。確かに奇跡は起きた。2018年平成チャンピオンカップ(山陽)を有吉辰也が逃げ切った。13年9月の落車事故で股関節など下半身に大きなダメージを残し、復帰後は長らく不振に苦しみまくったが、ついに復権した。

 12年8月ダイヤモンドレース(飯塚)以来のタイトルを獲得した有吉が笑顔全開に言った。「勝った時は泣きそうでした。でも、うれしすぎて笑いが上回ってしまいました。とにかくスタートだけは行こうと。行って3着までに粘れたらいいなと思っていましたが、まさか勝てるなんて…。うれしいし、信じられません…」

 0メートルオープンの3枠から会心のトップスタートを決めた。「自分は3枠が一番切りやすいんです。とにかく8周回が長く感じましたあ(苦笑い)。後ろから誰か来ているのはわかっていましたが、試走タイム(3秒32)が雅人(中村)よりも出ていたし、状態が良かったです」

 そして、誰よりも先にゴール線をまたいだ。「去年の目標はS級に返り咲くことでしたが達成できました。そして、今年は記念レースをもう一度勝つことを目標にしていたのですが、これも叶った。何だかトントン拍子すぎで怖いです。どうしよう、明日からの目標は(笑い)」

 14年4月に復帰した後は、けがの影響でなかなか結果に恵まれなかった。「医者からは復帰はやめた方がいいと言われました」。想像以上の苦戦に心が折れ切った時もあった。「引退を本気で考えたこともありましたが、周りに引き留めてもらいました。本当に自分は恵まれています…」

 S級にカムバックした。再びタイトルも手に入れた。そして、新たなる目標を有吉は口にした。「年末のスーパースター王座決定戦に出場したいです。これからはそれを目標にします!」

 勝利を決めてヘルメットを脱いだ時の第一声は「オ~マイガ~(オーマイゴッド)」だった。まさに神をも驚かせる復活ショーを披露した。速くて、強い有吉辰也が帰ってきた。おかえりなさい。(淡路 哲雄)

 出走表、成績、払い戻し金などはスポーツ報知紙面にてご確認ください。

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