【原辰徳氏 観戦記】吉川尚、向かっていく姿勢は立派だった

2017年5月18日11時0分  スポーツ報知
  • 試合前の練習中、高橋監督(右)と話をする原辰徳氏(左は村田ヘッドコーチ)

 ◆巨人0―7ヤクルト(17日・東京ドーム)

 巨人前監督の原辰徳氏(58)が、スポーツ報知に特別観戦記を寄せた。本拠地デビューを飾った吉川尚と桜井に、主力として活躍するための条件や心構えなどを説いた。(構成・高田健介)

 スタメンデビューした吉川尚にとって、勉強になった1日だった。3回の1打席目は、由規のフォークに空振り三振だった。ストライクゾーンからボールになる球ではなく、ボールからボールになる球を振った。きっと本人は真っすぐだと判断してスイングしたんだと思う。1軍投手とファームとのレベルの違いを身をもって経験できたはずだ。

 ただ、向かっていく姿勢は立派だった。3打席目までは当てにいくのではなく、しっかりスイングできていたし、打席から投手に送る視線も非常に鋭かった。坂本勇も、若い頃からいい目をしていた。入団2年目に定位置を奪ったが、最初から成績を残せたわけではなかった。ある日の試合後「明日は勇人をスタメンから外そう。今の状態じゃバットで豆腐も切れない」と思って翌日会ったが、目がまったく死んでいなかった。「もう1試合、任せてみよう」と思わせる姿勢で練習に打ち込んでいた。

 吉川尚は、坂本勇の姿勢から学ぶべきものは多いだろう。そして、プロで生きていくなら「僕の長所はここです」という得意分野を作る必要がある。真っすぐにはめっぽう強いとか、引っ張り、流し打ちだけは負けない、でもいいし、追い込まれても簡単に三振しないのも長所だ。短所を修正しようとすると、野球は難しくなるし、首脳陣も、長所で短所を包み込むような選手に大きく育ててほしい。

 2年目の桜井は変化球はまだまだだが、真っすぐは非常に良かった。8回、山田から空振り三振を奪った直球は外角ギリギリを狙ったものだが、グラブを持った左半身の開きが遅いから、内角に投げてくるイメージを持ったと思う。けがで1年目は活躍できなかったが、「この真っすぐが僕の長所です」とアピールできた。

 2人ともまだまだプロ人生をスタートさせたばかり。二塁は中井が結果を出せていないし、中継ぎも6、7回は手薄でチャンスはある。自分の武器を磨き続けて、定位置を奪ってほしい。(前巨人軍監督)

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