【OB戦】由伸監督、あと一歩!120メートル大ファウル

スポーツ報知
ロッカールームで隣同士となった高橋由(左)と松井

◆巨人宮崎キャンプ60年記念 ジャイアンツOB11―3ホークスOB(10日・サンマリンスタジアム宮崎)

 負けん気に火が付いた。由伸の打球はすっ飛んだ。現役時をほうふつとさせる一本足打法からの、会心の一撃。飛距離は十分。ただ、多少衰えた体は少しだけ早く開き、右翼ポール右のファウルゾーンへと消えた。「いや、全然だよ。松井さんの打球もすごかったし、小久保さんとかもすごかったね」。4回先頭、推定120メートルの“もう少しでホームラン”に場内は沸いた。

 キャンプ初日から毎朝、宿舎からサンマリンスタジアムまでをランニングして体形の維持に努めた。そのまま外野フェンス沿いで6本のダッシュ。ウェート場にこもって筋トレも行った。食事制限までして臨み、3回の中前安打、5回1死二、三塁での右前2点適時打につなげた。直後にまさかの“隠し球”でアウトになるお約束もあったが、守備機会も無難にこなした。それでも自己分析は「思ったようにいかないな。気持ちと体が全然一致しないなと思ったよ」と笑い飛ばした。

 初回先頭ではいきなり工藤と“現役監督対決”。力ない遊飛に打ち取られ「普段投げている人と、全くやっていない人の差が出た」と苦笑した。元木、松井とともにフル出場。左翼・清水、中堅・松井、右翼・由伸の布陣は、指揮官が入団1年目と同じ並びで「懐かしかった」。でも本音は「疲れたよ。松井さんと2人でヘロヘロになってた」。

 ベンチ裏ではレジェンド一人一人に声をかけられ、吉川尚や岡本、新戦力などの現状を報告した。「いい緊張感、楽しい時間を過ごせたよ」と第3クールに向けた活力になった。

 キャンプは中盤に入る。実戦が多くなり、若手のふるい落としが始まる。「とにかくいいキャンプにしたい」。巨人の伝統を築いてきた先輩たちの言葉を胸に刻み、厳しい目で新しいチームをつくっていく覚悟ができた。(水井 基博)

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