【巨人】ゲレーロ、同じ“アレックス”のラミレス級インパクトを残す…ロングインタビュー

スポーツ報知
巨人移籍後の開幕を間近に控え、心境を語ったゲレーロ(カメラ・矢口 亨)

 巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(31)が“チーム最強の助っ人”になる。このほどスポーツ報知のインタビューに答え、移籍1年目にかける思いを激白。開幕4番最有力の主砲は、同じ「アレックス」のファーストネームを持ち、巨人で4年間活躍したラミレス級のインパクトを残すことを約束した。(構成・西村 茂展)

 キングの名に恥じない豪快な打撃で、ゲレーロはあっという間に巨人打線の中心となった。4年ぶりのリーグ制覇、6年ぶりの日本一奪回へすでに臨戦態勢だ。

 「調子は上がってきているよ。ファンには気軽に(ファーストネームの)アレックスと呼んで、応援してほしい」

 巨人でアレックスといえば、08年から11年まで在籍し、10年には49発で本塁打王を獲得したラミレス(現DeNA監督)が思い出される。背番号は同じ「5」。そんな“アレックスの先輩”に負けないインパクトを残す活躍をするつもりだ。

 「もちろん偉大な打者で、知っている。じゃあこうしよう。『2018年のアレックス』といえば、俺だということにしようか(笑い)」

 現在、オープン戦出場12試合で12球団トップタイの5本塁打。降雨ノーゲームとなった2月25日の広島戦(那覇)や、21日にヤクルトと行った試合形式の合同練習(東京D)でも一発を放ち、実戦14試合で7発とアーチをかけまくっている。代名詞ともいえる本塁打についてどう考えているのか。

 「本塁打というものは…試合を勝ちに結びつけるものかな。野球の中で、それが打てるということは誰にでも与えられた才能ではないと思っている。当然、練習も欠かせない。その中で自分を磨いていくしかない」

 特徴は、滞空時間の長い打球にある。下からのぞき込むようなフォームからアッパー気味にスイングを繰り出す。球の中心からわずかに下をバックスピンをかけるように一気に振り抜く。

 「自分の考えとしては、本塁打というのは、偶然じゃない。本塁打を打つスイングがあると思っている。それは教わるものでもないし、こうだと説明できることでもないんだけど『本塁打のスイング』は確かにあるんだ」

 日本の打者の中には「ヒットの延長が本塁打」と考え、鋭いライナーを飛ばすことを第一にする選手も多い。当然、ケースに応じた打撃を選択する場面もあるが、放った本塁打はいずれも打つべくして打ったものという自負が強い。

 「ヒットの延長が本塁打とは…僕はそうは思わないかな。本塁打は本塁打。全くの別物さ」

 ゲレーロの本塁打に対しての考え方は、幼少期からのもの。本塁打を量産する今だからたどりついた思考ではない。まさに天性のスラッガーだ。

 「子供の頃から、そう(本塁打とヒットは別物と)考えている。ここまで、言葉として明確にはしてなかったかもしれないけど。11歳の頃、野球を始めた。最初は投手だった。もちろん打撃の練習もするわけなんだけど、他の子供たちとは打球の軌道が全然違ったんだ。打球が落ちてこないなってさ。自分を含めた周りも、スイングに関する天賦の才能に気付いたのかもしれない。そこからもう投手はやらなくていい、となったんだ」

 すぐに打者としての頭角を現した。人生で初めて本塁打を打ったのも、11歳の時だった。快感が全身を駆けめぐる。思い出せば、その時から本塁打の持つ“魅力”にとりつかれていた。

 「公式戦のトーナメントだったはず。ひと言で言うと、本当にうれしかった。練習でサク越えするのとは全く違う感覚だった。野球人生において重要なポイントだった」

 ノーゲームとなった試合や合同練習を含めた実戦14試合で放った10安打のうち、7本が本塁打。量産ぶりをシーズン143試合に換算すると71発ペースになる。13年にバレンティン(ヤクルト)がマークした60本塁打の日本記録更新へ、周囲の期待も高まる。その声も当然、耳には届いてくる。

 「そういう本塁打の数を含めて、自分は記録は全く意識していないんだ。まず第一にけがせず1年過ごすっていうことが大事なことなので。そういった意味の数字は、毎試合出る目標を達成することで付いてくるものだから」

 いよいよ開幕が迫る。30日の阪神戦(東京D)で、巨人軍第88代4番に座ることが濃厚だ。

 「4番が日本の野球界でどういう意味を持つかは知っているつもり。それが日本で一番歴史と伝統のある巨人軍の4番となればなおさらです。打順は全て監督が決めることですが、もしそうなれば自分の全てを尽くして、期待に応えられるようにしたい」

 ◆巨人時代のアレックス・ラミレス
 移籍1年目の08年オープン戦は14試合で43打数10安打の打率2割3分3厘と低調で、本塁打と打点はともに0だったが、シーズンでは144試合で打率3割1分9厘、45本塁打。125打点でタイトルも獲得した。翌09年は首位打者と最多安打、10年は本塁打王と打点王と大活躍。4年間の在籍で、「ゲッツ」などあらゆるパフォーマンスでファンを魅了した。

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