【巨人】上原で負けた…4戦無安打から一転 逃げ切り失敗で4連敗

スポーツ報知
8回1死満塁、嶺井に左中間2点適時二塁打を打たれ天を仰ぐ上原

◆巨人3―4DeNA(10日・東京ドーム)

 上原が悪夢の3失点で巨人は逃げ切りに失敗し、4連敗となった。1点を追う7回に代打・長野の1号2ランで逆転したが、8回に救援した上原が宮崎に同点打、嶺井に勝ち越し2点二塁打を許して1死を奪っただけで降板。7回1失点と熱投した先発・山口俊の今季2勝目もお預けになった。8回に3連打で1点差に迫るが、そこまで。上原は国内レギュラーシーズンでは、2008年9月28日の中日戦(ナゴヤD)以来、3481日ぶりの黒星を喫した。

 東京Dが静まり返った。上原が打たれた。8回から2番手救援。1点のリードを守れず、同点に追いつかれ、迎えた1死満塁のピンチ。嶺井に高めのスプリットを左中間に運ばれた。二塁打で2者が生還。勝ち越された。ベンチへ戻ると、グラブと帽子を置き、マウンドを見つめた。

 「今日はちょっと高かった。逆転してすぐで、どうしても抑えたい気持ちが空回りした」。先頭・大和の3球目、最初のスイングでスプリットを左前に運ばれ、5試合目で初安打を許した。初対戦の筒香は二飛に仕留めたが、ロペスから嶺井まで4連打。1死しか奪えず5安打3失点。「巨人のペースだったのに、自分が壊してしまった」と悔やんだ。

 浴びた5安打中、ロペス以外の打者は全て高めに入ったスプリットを仕留めてきた。ラミレス監督が「ストライクゾーンに来たら、しっかりスイングしろと。それをやってくれた」と語るように、狙い球を徹底してきたDeNA打線に、過去4登板よりも制球の乱れが命取りになった。斎藤投手総合コーチは「フォーク(スプリット)も甘かった。高いから自然と手が出るんでしょう」と振り返った。

 「自分が打たれたんで」と上原はベンチに下がっても、チームを鼓舞し続けた。ロッカー室には下がらず、1列目で大声を上げ、ヒットが出ると拍手を送った。そんな姿に山口俊はそっとタオルを渡した。その裏、1点差に迫ったが、そこまでだった。

 チームは4連敗。勝ちパターンで白星を逃した。由伸監督は「全員が全員、1年間完全ということはない。こういう時もある」と上原を責めなかった。チームは中日と並んで5位タイに転落した。「チームが3連敗していた時に自分が申し訳ないことをしたという気持ちが強い」と右腕。誰よりも負けん気が強い43歳。次の登板では必ず、巻き返す。(玉寄 穂波)

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