【巨人】ドラ1鍬原、1軍前進 公式戦デビュー5回途中4失点も最速149キロ&7奪三振

スポーツ報知
イースタン・リーグで公式戦デビューをした鍬原(手前は細谷=カメラ・川口 浩)

◆イースタン・リーグ 巨人4―4ロッテ=延長11回=(19日・ジャイアンツ)

 上半身のコンディション不良で出遅れていた巨人のドラフト1位・鍬原拓也投手(22)が、公式戦デビューを果たした。イースタン・リーグ、ロッテ戦(G球場)に先発し、4回1/3を91球、3安打3四死球4失点(自責2)。最速149キロをマークし、4者連続を含む7奪三振。1軍昇格へまた一歩前進した。

 鍬原がマウンドに立ちはだかった。2点ビハインドの3回。3番から始まるロッテ打線を斬りまくった。「落ちる系のボールを試してみたかった」と2回以降から右打者にはスプリット、左打者にはシンカーを駆使。3番・細谷、4番・ドミンゲス、5番・大嶺翔をスプリットで、続く4回は先頭の肘井をシンカーで、すべて空振りで4者連続三振を奪った。

 初の公式戦マウンド。「まず楽しもうと思った」と挑んだ初めての公式戦。もちろん緊張はあった。立ち上がりは直球を軸とし制球に苦戦。先頭から連打を許し無死一、二塁、投ゴロを捕球し二塁へ悪送球。二塁走者が一気に生還し先制点を献上するなど初回は3失点とした。

 だが、2回以降は冷静に切り替えて安打を一本も許さず。5回は先頭から2者連続で四球を与え、2番・高浜を犠打失敗に打ち取ったところで交代。温かい拍手が背番号29を包みこんだ。「緊張してるからといって自分の失策、被安打で失点してしまった。上に行ったら通用しない。緊張感ある中で結果を残さないと」

 今回は球数制限もイニング制限もなし。「現状は大丈夫。ここから1年間投げてどうなるか」と右腕。プロ相手に投げるスタミナがあるか不安を漏らすこともあったが、5回まで球速は145キロをマーク。戦う基盤は整いつつある。

 斎藤投手総合コーチは「段階を踏んでいるのでこちらは非常に期待している。いい調子になって1軍に呼べる状態になれば」と今後に期待を寄せる。91球を投げ、最後まで球のキレや球速も落ちなかった。28日からの9連戦での1軍デビューに向け、更に可能性は広がった。

 だが鍬原は現状に満足していない。「これが自分の実力かと思った。もう一踏ん張りでき、先発して5回を投げきれないと。同じ失敗は繰り返したくない」。次戦は順調にいけば、24日の同リーグ、ヤクルト戦3連戦(戸田)中になる。夢の舞台へ、始まったばかりだ。(玉寄 穂波)

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