【巨人】菅野「もう一回やられるのは恥ずかしい」虎にリベンジ完投

スポーツ報知
完投勝利を挙げた菅野は小林とハイタッチを交わす(カメラ・石田 順平)

◆阪神2―8巨人(20日・甲子園)

 巨人のエース・菅野が、開幕戦で5失点した阪神にリベンジ。6安打2失点、無四球で今季初完投し、2勝目を挙げた。菅野は甲子園では14年9月から6連勝と圧倒している。打線は2回に小林、4回に吉川尚、ゲレーロ、5回に坂本勇とタイムリーがポンポン飛び出し、藤浪を5回6失点KO。借金を4に減らして、上昇気流に乗りたいところだ。

 悠々と投げた。菅野は6点リードの6回、1点を奪われなおも無死一、二塁、鳥谷に粘られたが、10球目のカーブで空振り三振に斬った。糸井は内角スライダーで捕邪飛、ロサリオは外角スライダーで三振に打ち取った。阪神ファンのため息を背に、ゆっくりとベンチへ戻った。

 終始ストライク先行で虎打線を圧倒した。5回まではスライダー、カットボール、直球をメインにわずか1安打。後半はフォークを交えて四隅を突いた。7回5失点で黒星を喫した開幕戦の屈辱を晴らし、今季初完投をマークした。

 「(小林)誠司と話して序盤からいろんなボールを使わずシンプルに、あまり球数を使わずにいこうと話した。ロサリオは内角を意識しすぎて外に対応していない。(我々)2人の組み立てがいいものになった」

 オフは新球の高速シンカーに挑戦した。菅野が小林を引っ張っているイメージが強いが、オープン戦中は小林が菅野に「シンカーは自信を持って投げてきていい」と声をかけることもあった。普段から菅野は「誠司が捕手で走られたら投手の責任」と絶大な信頼を寄せる。

 シンカーは阪神との開幕戦で精度の低さを痛感し、6日のヤクルト戦(神宮)から封印した球だ。この試合も5失点で敗れ、翌7日、神宮での試合前練習中に外野で2人きりで約10分間、青空ミーティング。善後策を入念に話し合った。小林はその柔軟な対応力を絶賛する。

 小林「智之がいろいろ考えてそうなったと思う。シンカーを投げていましたけど、それによってバランスを崩したというわけじゃない。全部がプラスに向かっていると思います。(開幕2連敗は)僕の配球が悪かったのもあるので」

 この日は、開幕戦では使わなかったフォークで幻惑。前回3安打を浴びた福留を無安打に封じるなど、相手の“キーマン”に仕事をさせなかった。

 「福留さんには野球人生で一番いいように打たれた。もう一回やられるのはプロとして恥ずかしい。今回は必死にやりました」

 由伸監督からは「1試合をきっちり、こうやって勝ちという形で投げきるというのがエースというか、らしさが出てきてくれていると思う」と賛辞を贈られた。それでもエースは最後まで笑顔を見せなかった。「これだけ点をとってくれたので。(自身の投球は)まずまず」と、決して満足はしなかった。今季は200イニング10完投を目標にしている菅野。戦いはまだ始まったばかりだ。(玉寄 穂波)

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