【巨人】由伸監督、初顔助っ人4連敗で交流戦勝ち越し消滅…4位転落

スポーツ報知
9回2死一塁、空振り三振に倒れた最後の打者・大城(手前)をベンチから見つめる巨人ナイン(捕手は田村=カメラ・矢口 亨)

◆日本生命セ・パ交流戦 ロッテ1―0巨人(16日・ZOZOマリン)

 巨人は、打線が1失点で完投した田口を援護できず今季6度目の零敗を喫し、今季交流戦の勝ち越しがなくなった。初対戦となったロッテのボルシンガーを攻略できず、わずか4安打。初回無死一、二塁、2回2死一、二塁の好機を逃すなど、三塁を踏めず“スミ1”でシャットアウト負け。今季初対決の外国人投手には4連敗と、初顔合わせに苦戦している。

 最後の最後まで、クセ球に牛耳られた。9回2死一塁。代打・大城のバットは、ボルシンガーのナックルカーブの前に空を切った。初対戦となる右腕の前に散発4安打と沈黙。今季チーム最短の2時間18分で、6度目の完封負けを喫した。由伸監督は「それ(初対戦)は何の言い訳にもならない」と潔く敗戦を受け入れた。

 ボルシンガーの決め球のナックルカーブは120キロ台と球速がありつつ、縦に大きく割れるように変化する。手元で微妙に動く外国人投手特有の“汚い真っすぐ”も、百戦錬磨の阿部に「ボールがくしゃくしゃ。セ・リーグにはいない」と舌を巻かせたほどで、初見での攻略は困難な相手だ。

 当然、スコアラー陣による分析は済ませていたが、指揮官は「映像だけじゃわからないところもあったのかも知れない。ただ、そうだからと言ってもね」と指摘。2回2死一、二塁で三ゴロに倒れた坂本勇から14者連続で凡退。打席ごとにつかんだ癖や傾向を“生きた資料”としてアジャストを重ねていけなければ、相手の術中にハマってしまう。

 初回の攻防でさらに乗せてしまった感は否めない。無死一、二塁。打者は好調の陽岱鋼。打球を転がしてくれれば、背番号2の足なら併殺崩れでも一、三塁を作れる場面であえなく空振り三振。岡本、阿部も凡退した。ロッテが初回1死三塁から二ゴロ間に決勝点を挙げ、ワンチャンスをモノにしたことが結果を分けた。

 これで公式戦初対戦となった外国人投手にはガルシア(中日)、ハフ(ヤクルト)、マルティネス(日本ハム)に続き、4連敗となった。ハーラー争い上位に顔を出すような好投手ばかりで、巨人だけでなく他球団も同様に苦戦している。事実を必要以上に重く見ることはないが、だからこそ攻略すれば他球団に差をつけられる部分にもなる。混戦のリーグを抜け出す鍵となるはずだ。

 再び借金は2となり、4位に転落。交流戦は1試合を残して8勝9敗と勝ち越しこそ消えたが、5割のラインは死守したい。この日、2試合続けて4打数無安打に終わった岡本は「最後しっかり勝てるように」と力を込めた。快勝で締め、22日に再開するリーグ戦へ弾みをつける。(西村 茂展)

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