【巨人】鍬原、広島3連戦の初戦に先発「ジャイアントキリング」決める

スポーツ報知
広島戦に向け、キャッチボールで調整する鍬原(カメラ・矢口 亨)

 巨人のドラフト1位・鍬原拓也投手(22)が25日、サッカー日本代表バリに「ジャイアントキリング」を挑む。ルーキーながら、26日からの広島3連戦(マツダ)のカード頭の先発を託された。14日のソフトバンク戦(ヤフオクD)では初勝利。セ・リーグの球団とは初対戦になるが「しっかり結果を残せればと思う」と決意を込めた。16年、沢村賞左腕・ジョンソンとの投げ合い。“クワボール”こと魔球シンカーを武器にカープの左打者を封じ、首位相手に金星をつかむ。

 気温30度を超えたG球場のグラウンド。夏空の下、鍬原は菅野らと談笑し、終始リラックスした様子で最終調整した。だが、26日の広島戦についての質問が飛ぶと、表情が引き締まった。完全アウェーでの首位との直接対決で、カード頭を託された。「チャンスをもらったということは、期待されているということ。その期待を踏みにじらないように、しっかり結果を残せれば」と気迫を見せた。

 14日のソフトバンク戦では5回2/3を4失点も、プロ初勝利が舞い込んできた。以後、登板間隔が空いたが、ランニングの量を増やし、順調に調整してきた。交流戦中に初昇格したため、セの打者との対戦は初めてだ。

 鍬原の武器は最速154キロの直球だが、中大時代に「クワボール」と呼ばれた独特の軌道を描くシンカーが、敵を封じるカギになる。120キロ中盤でゴロを打たせ、低めに落として空振りも奪える。斎藤投手総合コーチも「初見ではなかなか打てない」と絶賛するほどだ。

 鍬原は主に右打者にはスプリット、左打者にはシンカーが決め球。シンカーについては「大学でも三振を取っていたけど、プロでも通用すると分かった」と確かな手応えをつかんだ。実際、前回のソフトバンク戦では柳田、上林ら左打者から三振を奪った。広島の左打者は田中、丸、松山ら強者ぞろい。鍬原は対右打者の被打率が2割1分7厘である一方、左打者には1割6分2厘とクワボールを効果的に操り、抑えている。

 世間はサッカーW杯で大盛り上がり。鍬原は「(生で)見ていないです」と笑うが、健闘する日本代表同様、勝負はゲタを履くまで分からない。ハンパない魔球で“ジャイキリ”を現実にする。(玉寄 穂波)

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