【巨人】菅野、広島に雪辱0封!前回敗戦の悔しさ胸に…大城には「打たれたら全責任取る」

スポーツ報知
7回1死三塁、会沢から空振りの三振を奪い雄たけびを上げる菅野(カメラ・中島 傑)

◆巨人4―0広島(6日・東京ドーム)

 巨人は菅野が首位・広島を相手に8回6安打無失点。11三振を奪う力投で今季9勝目、通算70勝目を挙げた。東海大相模、東海大の後輩にあたるドラフト3位ルーキー・大城と初めてバッテリーを結成。6月28日のマツダで土をつけられたカープ打線にリベンジした。0―0の6回無死一塁、坂本勇がバックスクリーンへ先制の12号2ラン。投打の主役が躍動し、チームは広島戦の連敗を4で止め、4位に浮上した。

 自分を信じた。菅野は鬼気迫る表情で腕を振った。2―0の7回。先頭・西川の三塁打の後、野間を三ゴロで1死三塁。会沢を外角スライダーで空振り三振に抑えて絶叫した。5回から3イニング連続三塁に走者を背負うも無失点。前回敗れたカープにやり返した。

 「前回は情けない投球だったので勝ちたい、その一心で投げました。一番自信があるのはスライダー。それを生かすためにストレートを投げないといけない」

 初回から内角にストレートをズバズバ投げ込み、変化球が効いた。東海大相模、東海大の後輩・大城と初バッテリー。緊張する姿を見て「お前はサイン出して座っておけばいい。打たれたら全責任を取ってあげるから」と声をかけた通りの熱投。全身からこの1試合にかける思いがあふれ出た。

 直近の2登板。菅野の野球人生において、忘れることのできない教訓を得た。

 まず6月22日のヤクルト戦(東京D)。勝利投手になったが、球数が増え6回125球2失点。変化球を粘られ、32球を要した初回の途中、マウンドに捕手の小林を呼び「もっと俺の真っすぐを信用してくれない?」と伝えた。「変化球を投げるから逃げているとか、そんなレベルの話ではないですが、あんなことを誠司に言ったのは初めてだと思う」と菅野。中盤以降、ピンチで原点の直球で三振を奪い、直球の大切さを再確認。バッテリーとして大きな収穫を得たはずだった。

 続く同28日の広島戦(マツダ)。菊池、野間に一発を浴び5回113球7安打4失点で敗れた。試合後、宿舎で小林とたっぷり意見交換した。菅野は翌日、自分を強く責めていた。

 「勝負で一番やっちゃいけないことをしてしまいました。自分を疑ってしまったんです。局面局面で、どうなのかなと。打たれたのは失投。捕手のせいじゃない。全部自分の責任です」

 絶対エースの菅野でも、マウンドでさまざまな葛藤と闘っている。良い時ばかりじゃない。理想の投球ができなくても、苦悩を必ず次に生かす。だから圧倒的な実績がある。この日、捕手は大城だったが、小林との直近2試合の経験生かし、信じることの大切さを体現。8回119球無失点の快投につなげた。

 これで通算70勝。内海に並ぶ19度目の2ケタ奪三振となった。試合後、菅野は大城について「学ぶこともありましたし、自分を呼び起こしてくれたという感覚はあります」とたたえた。中7日にして3連戦初戦を託した由伸監督も「圧倒してくれた」と絶賛した。

 首位・カープとは7・5差。エースの意地、執念がチームに熱気を与えた。(片岡 優帆)

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