【巨人】上原、世界2人目のトリプル100広島戦で決める…中継ぎ地位向上願い大々的報道も希望

スポーツ報知
広島戦での日米通算100勝100セーブ100ホールドに挑む上原

 巨人の上原浩治投手(43)が19日、中継ぎ投手の“伝道師”となる覚悟を示した。日本人初となる日米通算100勝100セーブ100ホールドまで、あと1ホールドに迫っており「(達成時に)どこが1面でやってくれるかチェックしときます」。リリーフ陣の“地位向上”を願ってこその発言だ。20日からは5ゲーム差で追う首位・広島とマツダで3連戦。今季広島戦は4勝9敗で、マツダでは5戦全敗と苦しめられてきたが、7連勝中の今こそ逆襲へのスタートラインとする。

 少年のような、いたずらっぽい笑みを上原が浮かべた。後半戦開幕カードとなった阪神3連戦(甲子園)で2ホールドをマーク。日米通算100勝100セーブ100ホールドまで、あと1ホールドに迫っている。日本人初となる快挙を目前に「(達成時に)どこが1面でやってくれるか、ちゃんとチェックしとくんでね」と大々的な報道をアピールした。

 “トリプル100”は、メジャーで08年にトム・ゴードン(ヤンキースなど)が138勝、158セーブ、110ホールドで達成したのみ。あらゆる役割を高いレベルでこなしてきた証明であり、勲章である。だが、本人は巨人に復帰した時から、関連する質問を受けても「記録というわけでもないんで」と意識をしてこなかった。それがここに来て「もっと報道してもらって、連盟表彰案件になれば」など発言が変わってきた。その背景には、リリーバーの地位向上の狙いがある。

 「中継ぎにもっと日が当たるようになってほしい。中継ぎの人のやりがいにもなるだろうし。今はそのポジションでやっているので、プライドは持っている」

 連日、肩を作り、訪れるかどうかも分からない出番を待つ。1イニングを抑えて当然、打たれた時の方が注目を集めることもあるタフな中継ぎの重要性がより世間に浸透してくれれば―。あえて“広告塔”となる覚悟だ。由伸監督も「すごいことだよね。今まで(日本人で)誰もいなかったからピンとこないかもだけど、どんな役割でもこなしてきたわけだから」と頼れる“同級生”の快挙を心待ちにする。

 チームはこの日、5ゲーム差で追う首位・広島との3連戦に備え、敵地へ移動した。「相手が広島でもやることは一緒。今は上がどうこうより、自分たちのことをやってその結果、上との差が縮まればいい」と自然体を強調。敵、味方なく祝うべき大記録達成は、豪雨被害に遭った広島の野球ファンにも勇気を与えるはずだ。「自分は自分のことをするだけですが、それによって心を痛めている方が、元気になればうれしい」。その名を球史に刻む瞬間が迫る。(西村 茂展)

 ◆ホールド(Hold)中継ぎ投手の貢献度を評価する指標の一つ。MLB公式サイトでは99年分から表記、NPBでは05年から公式記録に加えた。得点差などの記録が付く状況はセーブの規則とほぼ同じだが、日本が同点でのケースを含むのに対し、メジャーはリードしている時のみに限られる。

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