【巨人】0―7から追いつくも…広島と死闘4時間13分 逆転サヨナラ負け

スポーツ報知
10回2死一塁、下水流にサヨナラ2ランを許して肩を落とす巨人ナイン

◆広島10X―9巨人=延長10回=(20日・マツダ)

 まだまだ勝負はこれからだ―。巨人は首位・広島と4時間13分の死闘の末、サヨナラ負けを喫し、連勝が7で止まった。0―7から反撃し、延長10回に岡本の17号ソロで勝ち越したが、その裏2死でマシソンが下水流に逆転2ランを浴びた。これで鬼門・マツダスタジアムでは10連敗。広島とのゲーム差は6に広がり、3タテを食らえば22日にも自力Vが消滅する。だが、7点ビハインドを追いついた粘りは次につながるはずだ。21日にはエース・菅野が先発。強い闘志で、巻き返せ。

 ベンチの誰もが前のめりで声をからしていた。勝利は目前。奇跡への扉は開きかけていた。だが、マシソンが投じた153キロは無情にも右翼席へと消えた。由伸監督、コーチ陣もそこから一歩も動けなかった。1点リードの延長10回2死一塁。途中出場の下水流に逆転サヨナラ2ランを浴びた。

 カープ・ファンの大合唱が聞こえるベンチ裏、指揮官は会見に応じた。「まあ、ね。最後はマシソンが行ってこうなってしまったので…。チームの一番信頼できるストッパーが行ったんで、こればっかりはね」。自身に言い聞かせ、ひと呼吸おき「よく追い付いて、ひっくり返したんだけど」と振り返った。先発の山口俊が初回に4失点、2回には3失点で移籍後最短、2回7失点でKOされた。大敗も覚悟した展開も、4回に陽の5号3ランで反撃ののろしを上げ、5回にはマギーが11号3ラン。広島ファンをどよめかせた。

 2点差に離されても7回無死二、三塁で吉川尚が同点タイムリー。延長10回には4番・岡本の17号ソロでこの試合初めて勝ち越した。この瞬間、ベンチの全員がガッツポーズを繰り出した。7点差以上から逆転勝ちしていれば12年ぶりで、球団史上3度目の快挙。首位・広島との差を縮めるだけでなく、次戦への大きな勢いになるはずだった。さらなる大型連勝へのシナリオは、わずか1球で砕かれてしまった。指揮官は「中継ぎがよく頑張ってくれて、攻撃も何とか応えた。何とか勝ち切りたかった」と語った。

 ただ、下を向く必要はない。攻撃陣が調子を上げてきたのは目に見えて分かる。マギーは「結果は残念だったけど、7点差を追い付いて、いいプレーもたくさんあったし、みんなが活躍した。気落ちするわけにはいかない」とナインの尻を叩いた。実際、序盤に7点のビハインドがあった際でも、ナインからは「このまま終わらない気がした」「ワンチャンスでいけるかも」との声が出ていたという。

 ベンチもさえていた。救援陣には開幕ローテの野上と吉川光を入れ、ロングリリーフを整備した。今回は吉川光が2番手で4回を1失点に抑えた。由伸監督の先を見越した配置によって試合を立て直した。指揮官も「いいところを見せてくれた」とうなずいた。

 投打において好転してきたが、広島の牙城は崩せなかった。マツダでは昨年から10連敗。チームの連勝は7で止まった。村田ヘッドコーチは「打ったし、打たれたし。とりあえず切り替えていくしかない」と強調した。21日の2戦目はエース・菅野。もう一度、やるしかない。(水井 基博)

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