【巨人】畠世周、156キロマークで最終兵器に名乗り 腰痛で3軍調整も復活へ

スポーツ報知
守備練習で軽快な動きを見せる畠。シーズン終盤の最終兵器として期待がかかる

 巨人の畠世周投手(24)が、シーズン終盤で1軍の最終兵器として昇格する可能性が4日、浮上した。2月のキャンプ中に腰痛で離脱し、8月に3軍で実戦復帰。今月2日の3軍の試合で自己最速156キロを記録した。今週末のイースタン・西武戦(7~9日・G球場)で1年ぶりに公式戦登板する方向で調整中。今後の起用法は1軍首脳陣が慎重に検討するが、先発でも救援でも貴重な戦力になることは間違いない。

 軽快な動きが体調の良さを物語っていた。畠はこの日、今季初めて3軍から2軍に正式合流。台風21号による風雨の影響によりG球場室内で練習となったが、明るい表情でノックを受けた。約半年という長いリハビリ期間、「早く戻れるように頑張ります」と話してきた2年目右腕にとって待望の昇格。目標とする今季中の1軍復帰へ、階段を上がった。

 1年目の昨季はシーズン後半から先発に定着して6勝4敗、防御率2・99の好成績を残した。飛躍が期待された今季は2月のキャンプ1軍スタート。「自分は不器用なので」と連日ブルペンで投げ込み、感覚を磨いた。松井秀喜臨時コーチが左打席に立つ中での投球練習では内角をえぐり、松井さんから「直球に力あるなと感じました」とお墨付きをもらった。順調に見えたが、腰痛のため2月中旬に離脱。3軍に合流した。

 当時の球団発表は「急性腰痛」だったが、思ったよりも症状が長引いた。全力投球できないもどかしさの中でも前を向き、できるトレーニングを積み重ねてきた。投球フォームのバランスもじっくり見直した。

 地道な努力はパワーアップにつながった。8月11日の3軍・東農大北海道戦(釧路)で離脱後初実戦に臨みリリーフで2回無失点。その後、3軍戦に2度先発し4回54球、6回89球と段階を踏んだ。衝撃が走ったのは復帰後4度目の登板となった今月2日の四国IL・徳島戦(JAバンク徳島)。先発で、これまでの自己最速を1キロ更新する156キロを計測。150キロ以上を連発して5回1安打7奪三振無失点。2軍昇格が決まった。

 今週の2軍は5、6日が練習日で週末の7日から西武3連戦(G球場)。首脳陣はこのカードで、畠の今季公式戦初登板を検討している。登板日やイニング数は慎重に判断するようだが、2軍戦の内容や状態が良ければ、シーズン終盤の1軍昇格も視野に入ってくる。

 チームはマシソン、カミネロが故障で離脱。山口俊が先発から抑えに配置転換となった。由伸監督は「いろいろやっていかないといけないと思っている」と常に最善策を模索。畠の起用法は今後の状況次第になってくるが、先発候補であると同時に、最速156キロの球威は魅力的でリリーフの可能性もありそうだ。

 1軍は残り19試合。CS争い、その先の短期決戦へ―。畠が切り札として加わればさらに層が厚くなる。

 ◆昨年の畠 入団前の右肘手術の影響もあり7月に1軍デビュー。2戦目の同19日中日戦(ナゴヤD)で8回途中2失点でプロ初勝利。8月下旬からは3登板連続で7イニング以上投げて3連勝を飾り、斎藤投手コーチから菅野、マイコラス、田口との「4本柱」と称された。13登板で6勝4敗、防御率2・99。2ケタ奪三振を2度マークした。

 ◆今季の畠

 ▽2月4日 宮崎1軍キャンプ初日から4日連続ブルペン入り。

 ▽同12日 紅白戦に先発して2回4安打3失点。

 ▽同15日 腰痛のため3軍キャンプ合流。リハビリ開始。

 ▽4月24日 G球場でブルペン投球再開。軽めに40球。

 ▽8月8日 G球場で離脱後初のシート打撃登板。打者5人に27球。最速148キロ。

 ▽同11日 3軍・東農大北海道戦(釧路)で実戦復帰。2回36球1安打3奪三振無失点。

 ▽同19日 日本ウェルネススポーツ大学戦(G球場)で先発。4回54球2安打7奪三振1失点。

 ▽同26日 BC・石川戦(金沢市民)で先発。6回89球2安打5奪三振1失点。

 ▽9月2日 四国IL・徳島戦(徳島)で5回55球1安打7奪三振無失点。6つが空振り三振。

 ◆畠 世周(はたけ・せいしゅう)1994年5月31日、広島・呉市生まれ。24歳。川尻中では軟式野球部でプレー。近大福山高ではエースとして3年夏の広島大会で16強。近大では3年秋に3試合連続完封を記録。16年ドラフト2位で巨人入り。「世周」の由来は「世の中が自分の良い方に回るように」という意味が込められている。186センチ、78キロ。右投左打。年俸2400万円。

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