【巨人】坂本勇、“ドームの申し子”が今世紀初の危機を救う

スポーツ報知
19日のDeNA戦出場に意欲を燃やす坂本勇。東京Dでの負け越しは許さないつもりだ

 巨人の坂本勇人内野手(29)が、今世紀初の危機を救う。チームは今季、東京Dで27勝31敗1分け。負け越しとなれば30年の歴史で97年以来3度目、21世紀初の屈辱だ。勝ち越すには残り5戦全勝がノルマで、1敗でもすれば負け越しが決まる。ドーム開業と同じ88年生まれの主将は、前日の左太もも違和感とみられる途中交代にも負けず19日のDeNA戦(東京D)に向け臨戦態勢。「チーム一丸で全部勝てるようにプレーしたい」と宣言した。2年ぶりCS進出をたぐり寄せるためにも、本拠地で負けるわけにはいかない。

 東京Dに育ててもらった恩はプレーで返す。坂本勇は入団2年目にしてレギュラーをつかみ、球界トップレベルまで着実にステップアップしてきたが、それも4万6000人を収容できる大観衆の中でプレーする緊張感、声援の後押しがあったからこそ。「東京ドームには毎試合、本当に多くのファンの方が足を運んでくれる。大きな声援が僕たちの力にもなりますし、応援してくださるファンの方のためにも、いいプレーを見せられるようにしたい」と約束した。

 チームは今世紀初の危機にさらされている。17日の中日戦に敗れて、今季の東京Dでの試合は27勝31敗。残り5試合全てに勝てば勝ち越せるが、4勝1敗では負け越し。92年、97年に続いて史上3度目で、21世紀に入ってからは初の屈辱を味わうことになってしまう。「ここからは全ての試合が大事になるので、チーム一丸で全部勝てるようにプレーしていきたい」。シーズンは残り10試合。大混戦を勝ち抜いて2年ぶりのCS進出をたぐり寄せるためには1つでも多くの白星が必要で、本拠地での試合を落とすわけにはいかない。

 坂本勇は東京D開業と同じ88年生まれで、いわば“ドームの申し子”。今季14本塁打のうち、8発を本拠地で放っている。6月9日の西武戦では逆転V3ランをたたき込んで単独最下位に沈んでいたチームに活を入れ、7月6日の広島戦では終盤に先制2ランで自力V消滅を救った。チームが苦境に立たされている時、東京Dのグラウンドに立つ背番号6は強烈な輝きを放ってきた。

 11日から17日までの7連戦は1勝5敗1分けと失速し、坂本勇もその間に3試合連続無安打と沈黙するなど不完全燃焼だった。17日の中日戦では左太もも違和感とみられるアクシデントで途中交代。それでも「休み明けは大丈夫だと思います」と回復に自信を見せていた。19日のDeNA戦(東京D)は巨人戦4戦4勝の東、20日のヤクルト戦(神宮)は巨人戦7連勝中の小川が相手。天敵を攻略しないことには先は望めないが、勇人なら何とかしてくれる。(尾形 圭亮)

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