【巨人】由伸監督、下克上へ菅野の中4日先発検討…中2日リリーフの可能性も

スポーツ報知
巨人の絶対的エースの菅野〈19〉が、CS最終Sで広島との決戦に挑む

 由伸巨人が15日、広島とのクライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)に向け「下克上ローテ」の検討に入った。17日の初戦にはメルセデスが万全の状態で先発。2戦目には田口の抜てきが濃厚となった。首脳陣は3戦目に、14日にCS史上初のノーヒットノーランを達成した菅野を中4日で任せる構想。実現すれば4戦目は今村、5戦目の候補としてヤングマンの1軍合流も決まった。シーズン7勝17敗1分けのカープに全員で雪辱し、日本シリーズの切符をつかみにいく。

 歴史的な1勝から一夜明け、由伸監督は改めてエースへの全幅の信頼を強調した。決戦の地、広島への移動前。14日のCS第1S第2戦・ヤクルト戦(神宮)でポストシーズン初のノーヒットノーランを達成した菅野について「頑張ってもらうしかない。きついのは分かってるけど」と、気遣いながらフル回転の方針を示唆した。

 菅野は9月22日からの23日間で「完封→完封→完封→救援1イニング→ノーヒットノーラン」。9月15日DeNA戦(横浜)での4~7回の無失点も含めると、41回連続で無失点だ。異次元の安定感で、首脳陣は19日の最終S第3戦先発の構想を持っている。先発から先発への中4日登板は、今季チーム初となる。

 初戦はメルセデスで2戦目は田口。連勝で迎えれば王手がかかる。万が一、2連敗で王手(広島にアドバンテージの1勝あり)をかけられていても、菅野に流れを変える役割を託すことができる。当然コンディション次第になるが、第1S初戦から中5日の今村でなく、順番を入れ替えてエースに3戦目を託そうとするのは、由伸監督の期待の表れだ。

 この日、菅野は休養日として疲労回復、体調管理に努めた。セ・リーグでノーヒットノーラン特別表彰の調整に入るなど周囲は快挙に沸くが、本人の目はすでに次の戦いへ向けられている。シーズン中から、どれだけ実績を積み重ねても変わらない責任感、信念があるからだ。

 「(勝敗で)一喜一憂していたらローテーション投手、プロ野球選手として長丁場のシーズンを戦えないと思いますし、勝っている時こそ慎重に過ごさないといけないと思っています」

 マツダでは今月4日に完封勝利を挙げ、試合後に「このマツダでチームとしてゼロに抑えて勝った。CSでここでやることになると思うので弾みがつくと思いますし、非常に大きい一勝」と話していた。その通り、再戦の機会が訪れた。

 今季、チームの広島戦は7勝17敗1分けで、マツダでは2勝9敗1分け。その敵地で、4勝2敗以上が必要になる。菅野が3戦目にいければ、4戦目は中6日で今村の見込み。5戦目の候補としてヤングマンの昇格も決まった。最終6戦目までもつれた場合は中4日のメルセデスに菅野の中2日リリーフという究極の選択もゼロではない。

 「監督と一日でも長く野球を」と、選手は辞任する指揮官のために一つになる。悔しさの詰まったマツダで下克上を―。由伸巨人の戦いはまだまだ終わらない。

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