【巨人】紅白戦、チーム平成最速の2・3…2軍VS1軍若手のサバイバルマッチ

スポーツ報知
春季キャンプが行われるサンマリンスタジアム宮崎

 巨人・原辰徳監督(60)が16日、「平成最速」の紅白戦を行うことを明かした。ジャイアンツ球場で春季キャンプに向けたコーチ会議を行い、第1クールの2月3日に若手を対象とした実戦を組み込む方針を決定。しかも「1軍スタートの若手VSファームの若手」という異例の“下克上マッチ”だ。早々にサバイバル開始のゴングを鳴らし、競争を活性化させる。

 仰天のアイデアが、原監督の口から発せられた。春季キャンプに向けたコーチ会議が終わった後、報道陣に対応した。「3日に若手主体の紅白戦をやります。1軍スタートした若手対ファームの若手。ヤングオールスターズでね」。若手選手を対象に、第1クールでいきなり実戦を行う方針を明かした。

 巨人の春季キャンプで、平成が始まった1989年以降では最も早い紅白戦となる。1軍対2軍の“下克上マッチ”というのも異例中の異例だ。コーチ会議では3日は当初、守備をつけ、アウトカウントも数えながら実戦的な打撃練習を行う「一か所打撃」というメニューが提案されていたが、指揮官がそれならばと実戦にした。その真意は―。「今の選手たちは仕上がりも非常に早いし、自分でそこまで仕上げてこられる若手というのも、すごく興味がある。また、僕も(宮崎に)2クールまでしかいられない。沖縄にいくわけだし。全体を把握するという点で、3日にちょっと腕試しをしてもらう」。若手が甘えを排除し、体をつくってきたか。オフを有意義な時間としてきたかどうかを問う狙いがある。

 若手にとっては、願ってもないアピールの場だ。1、2軍が同じ宮崎でキャンプを張るのは11日まで。その間に計3試合の紅白戦を予定している。結果を残せば、13~28日にオープン戦2試合を含む6度の実戦が予定される1軍沖縄キャンプメンバーに入るチャンスが生まれる。「そこ(沖縄キャンプ)のメンバーはまた再編という形になるわけだからね」と指揮官も高いレベルで、沖縄行きのチケットを奪い合う競争を期待している。

 出場選手は、昨秋のキャンプでアピールに成功したメンバーが中心となる見込み。投手なら高田、大江の3年目コンビに、鍬原、桜井、畠らが、打者では吉川尚、松原、和田、田中俊、重信らがしのぎを削ることになりそうだ。宮本投手総合コーチは「7イニングないしは8イニング。サバイバルですから。リリーフ陣なんかは、回またぎだとかもある」と予告した。5年ぶりV奪回への礎を築く大事なキャンプ。若手のバトルが、チームの底上げにつながる。(西村 茂展)

 ◆他球団の主な「スピード紅白戦」 中日・落合監督は04年、キャンプ初日に紅白戦を実施。6勤1休のハード練習を持ち込み、就任初年度で5年ぶりのリーグVを達成した。今年2月のキャンプではロッテが、初日に2日以降の1、2軍をかけて“デスマッチ”となる紅白戦を行う。与田新監督の中日も3、4日に予定している。

 ◆これまでの平成最速は2月5日

 本紙調べでは、平成30年間の巨人の紅白戦初戦が最も早かったのは1995年の2月5日だ。07年には前年まで4年連続で優勝を逃したことから、直近10年(98~07年)で一番早い11日に実施。史上初の雪のキャンプインとなった05年は、当初15日に紅白戦が予定されていたが、雨天中止となり紅白戦を実施できないまま初の実戦が20日の練習試合・ソフトバンク戦となり、21日に紅白戦を行った例もある。

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