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巨人・小林の12球団屈指の抑止力 相手に盗塁のスタートを切らせない存在感

2018年6月11日17時0分  スポーツ報知
  • 6月10日の西武戦、7回2死一塁、打者・源田(左)の時、小林は秋山の二盗を阻止する(カメラ・堺 恒志)
  • 菅野(右)ら投手陣からも絶大な信頼を得ている小林

 改めて強肩のすごみを実感した。10日の西武戦(東京D)。小林誠司捕手(29)は、同点の7回2死一塁で盗塁を狙った秋山を矢のような低い送球でアウトにした。もちろん、マウンド上での内海の速いクイック投法、目で走者をけん制する動きがあってのものだが、終盤の勝負所でピンチの芽をつんだことが、9回のルーキー・大城のサヨナラ打につながった。

 西武はここまで、チーム盗塁数が12球団最多の69。それが、今回の巨人3連戦では成功0。全て小林が先発マスクで、企図数(きとすう=成功と失敗の合計)もこの秋山の1度だけだった。

 今回だけではない。巨人戦で、他球団は小林の強肩を警戒して、なかなか盗塁を仕掛けてこない。小林は昨年も138試合の出場で相手の企図数が「50」。NPBで最も「スタートを切られない捕手」だった。

 今年もここまで52試合の出場で相手の企図数は「19」。主な捕手を見ると、ヤクルト・中村が34、阪神・梅野が31、中日・大野奨が34、DeNA・嶺井が30、広島・會澤が25。3割6分4厘でパ・リーグ阻止率トップのソフトバンク・甲斐が33。いかに小林が少ないかが分かる。

 盗塁阻止率は19―6でリーグ2位の3割1分6厘(1位は中村の3割2分4厘)。だが、3日のオリックス戦(京セラD)のT―岡田の二盗は、内海のワンバウンド投球をはじいて送球できず、5日の楽天戦(東京D)の田中の二盗も、終盤の一、三塁という状況であえて送球しなかった。送球しない場合でも捕手が盗塁された、として阻止率に計算されるが、企図数が少ないことはそれだけ貢献度も高いと言えるだろう。

 小林は先日、阻止率が3割前後であることに「全然ダメです。もっと上を目指していかないといけないです」と話していた。菅野が常々「誠司が捕手で走られたら投手の責任」と話しているように投手陣からも絶大な信頼を得ているが、本人が満足することはない。

 日頃の練習を見ていると、キャッチボールで自分(小林)から見て左側に球がそれることがほとんどない。相手の真っ正面か、それるとしてもやや右側だ。盗塁阻止の状況で言えば、走者が滑り込んでくる二塁ベース一塁側のタッチしやすい方向に、正確に、丁寧に投げ込んでいる。強肩に加えてコントロールに磨きをかける細かい努力も、高い守備力を支えていると思う。

 相手からすれば、完璧に投手のモーションを盗んでいいスタートを切らなければアウトになる、というのは大きなプレッシャーだ。

 今季は「打てる捕手」として台頭したルーキーの大城がスタメンの試合もあるが、ベンチスタートだとしても、終盤の大事なところで小林の守備力が控えているのはチームとして大きな武器。セ・リーグに比べて盗塁数の多いパ・リーグ相手の交流戦で、その存在感が光っている。(記者コラム・片岡 優帆)

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