時松、“髪懸かり”V…谷口から「アマに負けたら丸刈り」指令乗り越えた

スポーツ報知
逆転でツアー3勝目を挙げた時松(右はローアマの久保田=カメラ・渡辺 了文)

◆男子プロゴルフツアー 関西オープン最終日(20日、兵庫・小野東洋GC=7124ヤード、パー72)

 1打差2位から出た時松隆光(24)=筑紫ケ丘GC=が3バーディー、2ボギーの71で回り、通算10アンダーで今季初優勝。3年連続の通算3勝目を飾った。スタート前に前週の日本プロ選手権でメジャー最年長Vの谷口徹(50)から「(アマチュアの)久保田君に負けたら丸刈りな」とハッパを掛けられ奮起した。首位から出た久保田皓也(20)=東北福祉大3年=は12番まで単独首位も、終盤に力尽き75で7アンダー4位に終わった。

 逃げるアマの久保田を、時松がプロの意地で逆転した。「久保田君が序盤に(4ホールで3つ)伸ばしたけど、絶対に波はある。頑張るしかない」。4番では最大4差のビハインドだったが、14番で今平を含めた3人が並んだ。15番でバーディーを奪って勝負を決めた。

 スタート前のパット練習場で、食事をともにするなど親交の深い谷口から「久保田君に負けたら丸刈りな」と言われ、背筋がピンと伸びた。「まあまあ焦ってスタートした。途中で『やべー』なって。(1歳上の)今平さんも(丸刈りと)言われたみたいで、先輩を見てどうするか決めよう」と頭をさすって苦笑いした。飛距離よりも小技でスコアをつくり「似たタイプ」と尊敬する通算20勝の言葉に奮起し、プロの意地を見せた。

 昨秋のブリヂストンオープンは36ホールの短縮競技を制して2勝目。「僕の場合は2勝目が実力ではなく運。72ホールで勝ててうれしい」と胸を張った。オフは地元の福岡・筑紫郡にある坂道を黙々と走り、体力強化に努めた。派手なガッツポーズもしない真面目な男は「今平さん、久保田君も素晴らしいゴルフをしていた。競って勝てたのは自信になる」とライバルへの感謝も忘れなかった。(岩原 正幸)

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