松山、26位浮上 V届く「ラインにいる」

スポーツ報知

◆米男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米オープン第2日(15日、米ニューヨーク州シネコックヒルズGC)

 【サウサンプトン(米ニューヨーク州)15日=岩原正幸】6打差46位から出た松山英樹(26)=LEXUS=は2バーディー、2ボギーの70と粘り、通算5オーバーの26位に浮上した。終始パットに苦戦しながら、最終18番は4メートルのバーディー締めで、決勝ラウンド(R)へ上昇気流をつかんだ。世界ランク1位で4アンダー首位のダスティン・ジョンソン(米国)とは9打差あるが、2位とは5打差の混戦だ。

 逆転優勝へ望みをつなぐ、貴重な一打だった。最終18番、松山は4メートルの下りのパットを落ち着いて沈めると、「最後のバーディーですごく救われた。(強く)打たなくても入った」と、ホッとした表情を見せた。パット数は全体86位の「32」。後半はずっとパーが続くもどかしい展開を振り払い、流れをつかんで決勝Rに突入する。

 強風が吹き荒れた初日とは打って変わり、風は穏やか。競泳平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介氏(35)が見守る中、6番ではドライバーショットを放った直後に珍しく笑みを浮かべるほどショットは好調。5メートル半を沈めてスコアを戻した。直後の7番はアプローチミスでボギーとしたが、我慢を重ねて70で乗り切った。「内容は徐々に良くなっている」

 2年前の覇者のD・ジョンソンが独走し首位とは9打差だが、2位とは5打差。1975年大会でルー・グラハム(米国)が2日目終了時の11打差(27位)をひっくり返し、2012年大会ではウェブ・シンプソン(米国)が29位(6打差)から逆転した例がある。データ上、優勝の可能性は消えていない。

 昨年は初日の82位から2位まで巻き返した。今年はビッグスコアが出づらく、追いつくのは簡単ではないが、「最低の勝負のラインにはいると思う。伸ばしていかないとチャンスはない。一つでも縮められるように頑張ります」と、闘志は失っていない。5時間以上のラウンドを終えたのは午後7時すぎ。1球も練習はせず、2日間で消耗した体を休めて、“ムービングサタデー”に臨む。

 ◆全米オープン 全米ゴルフ協会主催で1895年に始まり、毎年6月にコースを変えて行われ今回が118回目。例年フェアウェーが狭く、ラフは深く設定されるため、「最も難しいメジャー」と言われる。昨年はケプカ(米国)が大会最少記録に並ぶ通算16アンダーで制したが、優勝スコアの想定は例年「イーブンパー」と言われている。過去10年では2008年が1アンダー、10年がイーブンパー、12、13年はともに1オーバーだった。

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