秋吉翔太、松山超えV 初優勝から日本人最速2勝

スポーツ報知

◆男子プロゴルフツアー ダンロップ・スリクソン福島オープン最終日(24日、福島・グランディ那須白河GC)

 2打差5位で出た秋吉翔太(27)=ホームテック=が9バーディー、1ボギーの64をマーク。通算20アンダーで今季&通算2勝目を挙げた。初参戦した海外メジャー、全米オープンから帰国直後のホスト大会でタフさと全米仕込みのアプローチを見せ、松山英樹が持っていた初優勝から2勝目の日本人最短記録を更新した。初優勝を目指した山岡成稔(25)=こばやしようき=が1打差の2位。首位で出て、69で回った石川遼選手会長(26)=カシオ=は3位で終えた。

 夏日の福島で、秋吉が初メジャーでもまれた進化を見せた。山岡と首位に並んで迎えた最終18番パー5。秋吉は残り250ヤードからアイアン型2UTでピン右上8メートルへ2オン。2パットのバーディーで逃げ切った。5月27日にミズノオープンでツアー初勝利を飾り、28日後に2勝目。松山の35日を抜く日本人最短記録となり「こんなに早くできると思っていなかった。バーディーをたくさん取れるのがすごい楽しくて。(大会主催で用具契約する)ダンロップの看板も背負っているので恩返しできたかな」と満面の笑みだ。

 全米オープンは自身初の海外だった。世界屈指の難コースの洗礼を浴び、19オーバーの148位で予選落ち。「3バーディーしか取れなくて…。自分の実力はこんなものかとコテンパンにされた」。往復の航空券は変更不可の格安航空券で、土日はシネコックヒルズGC近隣のゴルフ場を回った。「ハンバーガーがすごくおいしかった」と唯一の楽しい思い出を作った。

 “お土産”もしっかりと持ち帰った。練習場で世界トップ選手たちのプレーに目を凝らし「(グリップよりもヘッドを先行させる)ハンドレートでふわりと上げるアプローチ」を習得。この日10番で、グリーン左ラフからふわりと1メートルへ寄せてパーセーブ。昨年6位に入り、初の賞金シード獲得への起点となった大会で、両親の前で前週から39打も違うスコアで快勝した。

 既に7月の全英オープン切符は獲得。世界ランクは179位から上昇予定で8月の全米プロ出場も視界に入る。「全英は予選を通れるように頑張りたいし、全米プロも出たい」。賞金ランク2位に浮上したホープは経験を力に変え、再び世界に挑む。(榎本 友一)

 ◆初優勝から2勝目までの最短日数記録 99年の日本ゴルフツアー機構発足後では、インドのジーブ・ミルカ・シンの7日(06年カシオワールドオープン、日本シリーズJTカップ2試合連続)が最短。タイのマークセン(08年三菱ダイヤモンドカップ、ミズノオープン)の21日が2位。秋吉(ミズノオープン、ダンロップスリクソン福島オープン)と韓国の崔京周(99年キリンオープン、宇部興産オープン)の28日が3位。松山英樹(13年つるやオープン、ダイヤモンドカップ)と韓国の裴相文(11年VanaH杯KBCオーガスタ、コカ・コーラ東海クラシック)の35日が5位。

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