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【こちら日高支局です・古谷剛彦】韓国初騎乗を勝利で飾った武豊、海の向こうでも人気は絶大

2017年9月13日7時0分  スポーツ報知

 韓国で本格的な国際交流競走として昨年創設された「第2回コリアカップ」、「第2回コリアスプリント」が10日、ソウル競馬場で開催された。

 今年は「コリアカップ」で連覇を目指すクリソライトに、武豊騎手が騎乗することで話題を集めるとともに、エルムSをレコード勝ちしたロンドンタウンも遠征し、昨年以上の布陣で挑んだ。

 大外枠だったロンドンタウンが、1コーナーの入口手前で一気に先頭に立ち、クリソライトが2番手という流れ。序盤から日本馬が主導権を握る展開となったが、ロンドンタウンが刻んだ前半3Fが、13秒7―12秒0―12秒4=38秒1という超スローペースで折り合いがつき、4Fから6F目まで11秒台後半へとペースアップ。昨年より早い段階で日本馬2頭が後続を突き放し、直線は完全にマッチレースとなった。序盤の貯金を生かす形で、ロンドンタウンは上がり3Fも37秒3の脚を使い、最後はクリソライトに4馬身差をつけ、1分50秒7のレコード勝ちを収めた。2着のクリソライトは、自身の上がり3Fが37秒8と精一杯の走りをし、昨年より0秒9も時計は詰めたが、ロンドンタウンのスピードに屈した。

 「レース前は、クリソライトの2番手を想定していましたが、ペースが遅かったことで迷わず行き切りました。砂は浅く感じ、日本の馬場に似た感じで走りやすかった面はあり、道中が本当に楽だったので、最後までしっかり脚を使ってくれました」と岩田騎手。牧田師は「エルムSの後、ソウル入り後も含めて本当に順調にこれました。レースでは岩田騎手にお任せしていましたが、最良の結果が出て本当にうれしいですね」と笑顔を浮かべていた。

 クリソライトに騎乗した武豊騎手は「ペースが遅かったのはわかっていたので、こちらも早めに動いているんですが、相手もペースアップして余力があり、自身が苦しくなってしまいました。時計を詰めていることも含め、クリソライトは走ってくれていますが、相手が一枚上でした」とコメントした。

 また、「第2回コリアスプリント」は、日本からグレイスフルリープが参戦。武豊騎手の韓国初騎乗だったが、好スタートから2番手を進み、逃げるパーディドポメロイを4コーナーで捕まえると、直線は独壇場。地元期待のトラオンポギョンソンなどの追撃を退け、昨年のサマーチャンピオン以来の重賞制覇を果たした。

 砂をかぶるとダメな馬で、ペースや展開を陣営は気にしていたが、藤原助手は「スンナリ外めの2番手についたところで、安心してレースを見ることができました。攻め馬の感触でも、韓国の馬場に対する適応力は高かったので、その面でも合っていたのかもしれませんね。それでも、1200メートルで不安な面があっただけに、この勝利は本当にうれしいです。また来年も来たいですね」と話していた。

 武豊騎手は、韓国初騎乗を勝利で飾ったが「プラン通りの競馬ができました。僕自身、韓国は大好きで、皆さんの前で勝てたことが本当にうれしいです」と、勝利騎手インタビューを見に来たファンの前で笑顔で答えていた。

 韓国でも武豊騎手の人気はすごい。地元メディアの武豊騎手に対する注目度は高かったし、パドックで「武」「豊」と作られた2枚のうちわを扇ぐ女性がいるなど声援の数も多かった。

 「コリアカップ」は2年連続ワンツー。「コリアスプリント」は、昨年は3着が最高着順だったが、その雪辱を果たす形で勝利を収め、2つとも日本馬が勝利する快挙となった。2つのレースの売上総額は、「コリアスプリント」が43億9320万8300ウォン(約4億円)、「コリアカップ」は51億1932万500ウォン(約5億円)で、どちらも昨年以上の売上となった。

 KRA(韓国馬事会)のイ・ヤンホ会長は「昨年から始まったコリアカップは、各国から反響もありました。また、韓国馬がその後、ドバイで好走するなど、馬のレベルも上がっていることを示してくれました。国際交流をさらに発展していく上でも、コリアカップとコリアスプリントを充実させ、今後の国際化にも力を注ぎたいと思ってます」と、インタビューで応えていた。

 芝コースのプランが昨年発表されたが、記者会見では、香港の記者などから、その後の進展などの質問があった。3コーナー奥にある1000メートルのポケットの辺りに、試験的に100メートルほど芝を育生させ、今後の芝コース構想を実現していく準備があることを話していた。ただ、現状は競馬場に厩舎があり、普段から調教などが行われていることを考えると、簡単な話ではないことも問題点として挙げられる。

 その後、イ会長とのインタビューを行った時に「ソウル近郊のファソンに日本のようなトレーニングセンターを作って、馬をそちらに移動させることで、芝コースを設置することができるのでは…という思いはあります」という話をしていた。もちろん、これは構想であることを強調はしていたが、具体的に場所も話していたことを考えると、これは実現に向けて進めていく可能性は高い話だと感じた。

 いずれにせよ、韓国競馬が発展していくステップの段階であり、急な進展を望むことは現実的に難しいのは確かだ。しかし、雇用などの面から競馬産業へ国が力を注いでいる点から、昨年も書いたが、「ジャパンC」以後の日本競馬を見るように、「コリアカップ」が韓国競馬にとって大きな転機になることは間違いない。(古谷剛彦=競馬ライター)

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