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【有馬記念・ボウマン騎手に聞く】シュヴァルグランという名馬でグランプリを勝ちたい

2017年12月19日6時0分  スポーツ報知
  • シュヴァルグランの手綱を執るボウマンは有馬記念Vに自信を見せた

 ◆第62回有馬記念・G1(12月24日・中山競馬場、芝2500メートル)

 第62回有馬記念で、5歳馬シュヴァルグランがジャパンCに続くG1連勝を狙う。手綱を執る世界的名手、ヒュー・ボウマン騎手(37)=オーストラリア=に、2度目の騎乗となる暮れの大一番への意気込みなどを聞いた。

 ―ジャパンCでは素晴らしいリードでシュヴァルグランを優勝に導きました。ボウマン騎手が感じるこの馬の良さはどこにありますか。

 「今まで乗った長距離馬のなかでは間違いなくナンバー1です。私が今まで乗った名馬にはウィンクス、リライアブルマン、ソーユーシンク【注】がいるけど、いずれも2000メートルまでの馬。シュヴァルグランは2400~2500メートルがベストだと思うが、エネルギーのロスなく走れるので3200メートルでもこなせると思います。JCでは先に抜け出したキタサンブラックをとらえられるか、勢いがつくまで分からなかったけど、徐々に『いける? いける? いけたー!』みたいな感じで加速してくれました。典型的な長距離で差せるグレートホースです」

 ―JC制覇後の周囲の反応はどうでしたか。

 「競馬が終わって調整ルームを出て、スマートフォンの電源を入れた途端、40通以上のメールや、WhatsAppのチャットが入ってきました。ホテルに移動し、友人たちと食事をしたあと、ルメール、Mデムーロなどの外国人騎手が加わっての二次会。三次会からは佐々木オーナー、友道調教師も加わりました。信じられない気持ちを抱いたまま、美酒に酔いしれて、ホテルに戻ったのは朝4時前でした」

 ―JCの優勝が決め手となって、今年のワールドベストジョッキーで初めての頂点。2位のRムーア、3位のLデットーリを押さえて堂々の優勝です。

 「ウィンクス1頭で6つのG1を勝てたのが大きかったと思います。南半球を拠点に戦っている自分にとっては、前半でポイントを稼いでも、秋にはG1の多い北半球にいるライアン(ムーア)に抜かれるのが毎年の恒例でした。でも、今年は何とか逃げ粘れました」

 ―そのウィンクスは22連勝のうちボウマン騎手とのコンビで20勝。以前、「達成感があった」と話していたことが印象的です。

 「勝ち続けるということは、勝ち数が増えていくたびに次の勝利へのプレッシャーが増すことになります。それが続くことはある意味、苦しいことだけど勝つたびに普通に勝つより達成感が生まれ、それがまた次の苦しい時の糧となります。特に僅差の勝利では『今回も達成できた』という、うれしさが強いですね。ウィンクスは芝で良馬場も不良馬場もこなすけど差し馬なので差し届かず…というのが一番怖い。でも、いつも差しを決めてくれる本当にすごい馬です」

 ―さて、今週は充実の一年を締めくくる有馬記念。15年のトーセンレーヴ(6着)以来、2度目の挑戦になります。

 「日本の競馬は他の国の競馬と比べてファンの熱狂度が非常に高いですね。自分にポジティブなアクションを感じると、こっちも乗せられて頑張れるところがあり、サッカーや野球のような応援が背中を押してくれます。スポーツとして考えると非常にありがたい話であり、参加させてもらえるだけでも良い経験になる特別なもの。まるで超有名歌手がそろったコンサートに出してもらう新人歌手のように思います」

 ―トリッキーな中山の芝2500メートルの攻略法をどのように考えますか。

 「中山のコース形態から考える攻略法や作戦ではなく、大事なのは他の相手となる馬がどう動くか。自分の枠がどこになるかで攻略法や作戦が生まれます。だから枠が出るまでは特に何も言えることはありません。当然、内枠。真ん中より内の枠が欲しいです」

 ―短期免許での来日は3度目になりますが、日本で騎乗する際に気をつけていることを教えてください。

 「気をつけることはどこの国で乗る時も同じ。ソフトに乗って追い出す時だけ馬を攻めます。オーストラリアではラチから3頭以上の馬が横に並んで走ることがないので最終コーナーまで隊列が崩れることは少ないけど、日本はそうではない。日本に来ている以上、こちらの競馬の傾向で自然にロスがない形で乗ることを心掛けたいです」

 ―今回の短期免許での目標は「JCと有馬を勝つこと」と聞いています。1つを達成しました。

 「今回の短期免許では斤量が56キロからしか乗れていません。騎乗馬の数は当然、少なくなりますが、ベストを尽くせるよう、コンディション維持を最優先して騎乗しています。JCで目標を1つ達成したけど、これに満足せず、もう1つの目標も達成したいです」

 ―有馬記念で対戦するライバルをどのように分析していますか。

 「アルゼンチン共和国杯のVTRを視ると、スワーヴリチャードが強いと感じます。間違いなく有力候補の一頭。ミルコは日本で重賞を勝ちまくっているので、この流れも怖いです。でも…」

 ―やっぱり今回もキタサンブラックが一番のライバルになるでしょうか。

 「はい。やはり相手の一番手はキタサンブラック。前にいて標的にされやすいにもかかわらず、JCでも踏ん張っていました。この馬の枠の位置が私がどう乗るかを決めるカギになります。前に行けるから、どんな馬場でも、どんなペースでも、どこの枠からでも競馬ができる強みがある。二の脚、三の脚を持っているし、素早い判断力で何度も大きなレースを勝ってきた武豊騎手というのも強みでしょう。秋の天皇賞では序盤であんな後ろにいたのに差し切るのだから、本当に強い馬だと思います。有馬で引退のようですが、海外で走ってほしかったです」

 ―最後に意気込みを聞かせてください。

 「今回の有馬は一番の強敵となる馬(キタサンブラック)がペースをつくる可能性が高いので枠が出るまでは何も言いようがありません。でも、シュヴァルグランが日本の競馬史に残る一頭というのは間違いない事実です。何とか自分の腕で今回のグランプリをこの名馬で勝ちたいです」(聞き手・内尾 篤嗣)

 【注】ウィンクスは、現在G1・15勝を含む22連勝中のオーストラリアの現役の6歳牝馬。リライアブルマンはフランスでデビュー。5歳時に豪州へ移籍し、自身と初コンビだった13年の豪G1クイーンエリザベスSを勝ったダラカニ産駒。デビュー戦の手綱を執ったソーユーシンクは、のちに09、10年の豪G1のコックスプレート2連覇。11年にアイルランドに移籍した後もG1で5勝を挙げた。

 ◆ヒュー・ボウマン(Hugh Bowman)1980年7月14日、豪州生まれ。37歳。01年に母国で騎手免許取得。騎手の世界ランキング「2017年ロンジンワールドベストジョッキー」で初めて栄冠に輝く。初来日は15年秋。3年連続の短期免許取得でJRA通算は重賞2勝を含む14勝。身長170.0センチ、55.0キロ。血液型O。

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