【大井・東京大賞典】コパノリッキー、逃げ切り勝ちで統一G1最多更新の11勝目!

スポーツ報知
逃げ切りで最多のG1・11勝目を挙げたコパノリッキー。田辺は馬上でガッツポーズ

◆第63回東京大賞典・交流G1(29日・大井競馬場、ダート2000メートル)

 大井・東京大賞典 第63回東京大賞典・交流G1が29日、大井競馬場で16頭(JRA7、南関東8、他地区1)が出走して行われた。3番人気のコパノリッキーが逃げ切り勝ち。統一G1最多勝利記録を更新する11勝目を挙げ、引退レースに花を添えた。2着は2番人気のサウンドトゥルー、3着は1番人気のケイティブレイブだった。

 大歓声が待ち受ける最後の直線が、コパノリッキーにとって引退の花道となった。先頭で向かうと、脚どりが乱れるどころかグングンと伸ばした。2番手を追走したケイティブレイブは失速。サウンドトゥルーの追い上げを3馬身差で退け、交流を含めて歴代最多のG1・11勝を挙げ、有終の美を飾った。「ケイティブレイブが(先手を)主張してきたので、封じ込めてからの折り合いがカギだったけど、落ち着いていたし、マイペースで走ってくれた。最後まで(脚いろが)衰えませんでした。一番いい形になって良かったし、ホッとしました」と田辺は会心の表情を浮かべた。

 レース3日前の26日、Dr.コパこと小林祥晃オーナー、村山調教師、田辺の3人で作戦会議を開催。そこで出た結論が「逃げる」だった。本番でその作戦を実践してつかんだ最後のタイトル。「短距離(JBCスプリント=2着)を使って批判されましたけど、使った効果が出ましたね。この通りやっていたらずっと勝てましたね」と小林オーナー。この日選んだオレンジ色が基調の服装は初めてG1を勝った14年フェブラリーSと同じだった。「7枠を引いた時、これしかないと思いましたよ」。今回は当時と同じ枠(7枠13番)だったことが、決め手となった。

 同じヤナガワ牧場出身のキタサンブラックに追随するように、ラストランのG1での逃げ切りV。ダート戦線の主役を張ってきた7歳馬は第二の馬生を歩む。「僕自身、初めてG1を勝たせてもらい、活躍させてもらったのはこの馬のおかげ。リッキーがいたから今の僕があります」と田辺は感謝の気持ちを表すと「今度はリッキーの子で…」と、村山調教師とともに口をそろえた。来月6日に京都競馬場で引退式を終え、北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬入り。早ければ21年にもデビューする2世へ、早くも期待を膨らませた。(春木 宏夫)

 ◆コパノリッキー 父ゴールドアリュール、母コパノニキータ(父ティンバーカントリー)。栗東・村山明厩舎所属の牡7歳。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産。通算33戦16勝(うち地方17戦10勝)。総収得賞金は9億9514万4000円。G1・11勝を含む重賞13勝。馬主は小林祥晃氏。

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