【東海S 古川吉洋騎手に聞く】テイエムジンソク、勝負の一年「結果欲しい」

スポーツ報知
G1前哨戦に意気込みを見せる古川とテイエムジンソク

◆第35回東海S・G2(1月21日、中京競馬場・ダ1800メートル)

 フェブラリーS・G1(2月18日、東京)の優先出走権がかかる東海S(21日、中京)には、昨年のチャンピオンズC2着のテイエムジンソクが参戦。念願のG1タイトルに向けて弾みをつける。

 悲願の頂へ―。古川とテイエムジンソクの新たな戦いが幕を開ける。騎手として23度目の春を迎えた主戦に気負いはない。

 「まわりの見方が変わるだけで、やることは変わらないですから」

 初騎乗の昨年5月は条件馬の身分だったが、そこから重賞勝ちを含む6戦4勝、2着2回。昨年暮れのチャンピオンズCは、G1初挑戦にもかかわらず1番人気に支持された。ゴール前でゴールドドリームに首差かわされたが、昨年末に引退したG1・11勝馬コパノリッキーの逃げを2番手から正攻法でねじ伏せた2着。一線級相手でも通用する力を示した。

 「G1で足りることは、十分に分かりました。力を確認できたので、それを出し切ることだけを考えればいいと思っています」

 敗戦直後は「勝ったと思ったんですけどねえ」と悔しさをあらわにしたが、すでに気持ちは切り替えている。G1タイトルが夢でなく現実のレベルにある自信が、自然体を貫かせる。

 11日には栗東・CWコースの1週前追いに騎乗して、感触を確かめた。6ハロン80秒1で、ラスト1ハロンを13秒7。背中から伝わってくる気配に静かにうなずいた。

 「少し(間隔が)空いたぶん、リフレッシュできたんじゃないですかね。でも、特に変わりはないですよ」

 挑戦者の立場から一転、主役の一角として臨む勝負の年。結果がすべて、と分かっている。景気のいい言葉をあえてのみ込むが、ひと言だけこぼした。

 「もちろん形として、結果は欲しいですけどね」

 今まで通り目の前の勝負に集中して、一つずつ勝利を重ねるだけ。その先にG1制覇がある。(宮崎 尚行)

 ◆古川 吉洋(ふるかわ・よしひろ)1977年9月26日、岡山県生まれ。40歳。96年に栗東・長浜博之厩舎から騎手デビュー。JRA通算436勝、重賞は97年阪神3歳牝馬S(アインブライド)でのG1勝ち含む6勝。160センチ、50キロ、血液型O。

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