【若駒S・宮崎が占う】ディープ産駒1戦1勝のスーパーフェザーとフォックスクリークが激突

スポーツ報知
友道厩舎のスーパーフェザーは、僚馬のワグネリアンにも勝るとも劣らない好素材だ

◆若駒S(1月20日、京都競馬場・芝2000メートル)

 のちのG1馬が数多く勝ち上がった出世レースの若駒S(20日、京都・芝2000メートル)。今年はディープインパクトを父に持つ1戦1勝馬が激突する。スーパーフェザー、フォックスクリークはともに京都の芝1800メートル戦でデビュー勝ち。2頭を管理する友道、中内田調教師はそれぞれワグネリアン、ダノンプレミアムと牡馬クラシックの有力候補がいるが、いずれも同等の期待を寄せているという。エリートコースに乗るのはどちらか。注目の一戦を、宮崎尚行記者が占った。

 若駒Sからクラシックへ突き進んだ馬は少なくない。トウカイテイオーやディープインパクトをはじめ、勝ち馬から多くのG1馬が誕生した出世レースだ。

 今年も少頭数だが、新馬勝ち直後のディープインパクト産駒2頭が注目を集める。友道厩舎のスーパーフェザー、中内田厩舎のフォックスクリーク。ほぼ一騎打ちとみている。初戦は前者が中団から息の長い末脚で差し切り、後者は好位抜け出し。いずれも首、半馬身の着差以上に余裕があった。

 ともに放牧を挟み、約3か月ぶりの年明け初戦。上昇度の大きさならスーパーフェザーか。「新馬は調教で動けていなかったけど、競馬では最後がしっかりしていました。自信はなかったんですけどね。いまは、時計が出るようになってきています」。デビュー前との動きの違いに、友道調教師が顕著な上積みを認める。「こちらも全勝で進んでほしい」。3戦3勝で東京スポーツ杯2歳Sを勝った僚馬ワグネリアンを引き合いにする言葉に期待のほどがうかがえる。

 そのワグネリアンと同じ金子真人ホールディングスが所有するフォックスクリークは秘める能力が奥深そう。重賞勝ち馬カミノタサハラ、ボレアスを筆頭に、兄姉が安定して結果を出している血の良さが、成長力を裏付ける。「新馬当時より、幾分か、しっかりした感じがあります。その上積みを競馬で見せてくれれば。しっかりクラシック路線に乗せたい馬です」。力強い言葉で、中内田調教師が評価の高さを示す。初戦のレースぶりから内回りのコース設定を考慮すれば、こちらにやや展開の利があるか。

 3歳世代で重賞勝ち馬3頭を含む10頭が勝ち上がる中内田厩舎には、昨年の朝日杯FSを無傷3連勝で制した、王者ダノンプレミアムがいる。両調教師ともに、1戦1勝のディープ産駒に自身のクラシック有力候補に劣らぬ評価をしていると、取材の感触で感じた。ここで2戦2勝とするのはどちらか。G1戦線を左右する一戦になるのは間違いなさそうだ。(宮崎 尚行)

《フォックスクリークの中内田調教師に聞く》

 ―新馬(京都・芝1800メートル)は好位抜け出しで、勝ち切りました。

 「新馬としては十分走れる仕上がりにあったし、期待通りに走ってくれたと思います」

 ―その後は放牧を挟みました。帰厩後の成長、変化は。

 「初戦も競馬に使える状態で送り出していたぶん、そこまで大きくは変わっていないですね。順調にきています」

 ―現状でのこの馬の良さは。

 「競馬に行ってのセンスが良かったですね。それだけに、見合う体とメンタルがついてくればと。完成度は低く、まだまだこれからの馬だと思います」

 ―レースに向けて意気込みを。

 「血統的にも良質な馬。まずは無事に走ってくれればと思いますし、ここでどんな競馬をできるか、楽しみにしています」

《スーパーフェザーの友道調教師に聞く》

 ―新馬(京都・芝1800メートル)は中団から長く脚を使って、きっちり差し切りました。

 「まだ緩いところがあったけど、実戦で良かった。あの状態で走れたのが大きいですね。直線でしっかりと伸びてくれて、能力があるな、と思いました。良馬場(初戦は稍重)でも見てみたいなと」

 ―放牧を挟んでの成長、変化は。

 「体は若干プラス(体重)かな。徐々にしっかりしてきていると思います」

 ―現状で、この馬の良さは。

 「競馬で折り合いがつくし、日常のしぐさを見ても賢そう。距離は2000メートル以上でも十分こなせると思います」

 ―レースに向けて意気込みをお願いします。

 「めちゃくちゃ跳びの大きい馬ではないので、内回りは心配していません。これから良くなっていくと思うけど、期待の大きい一頭で楽しみにしています」

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