【フェブラリーS・川上が見た】サウンドトゥルー、初騎乗ミナリクで激走だ

スポーツ報知
馬なりのまま併入に持ち込んだサウンドトゥルー(右)

◆フェブラリーS・追い切り(15日・美浦トレセン)

 第35回フェブラリーS(18日、東京)の出走馬16頭が15日、確定した。美浦・坂路ではサウンドトゥルーが追い切られ、川上記者がコラム「見た」で意欲満々のミナリク騎手に迫った。  サウンドトゥルーの追い切りを終えたミナリク騎手の表情から充実感が伝わってきた。「グッドフィーリング! リズム良く走れていた」。坂路で調整程度の併せ馬だが、初騎乗の鞍上が感触をつかんだ意味は大きそうだ。

 チェコ出身でドイツを主戦に活躍する42歳は7日に初の短期免許で来日。11日の東京1Rを6番人気のウインメディウムで逃げ切り、記念すべきJRA初勝利を府中のダートで飾った。「いま振り返っても体が震えるくらいうれしかった。開催が終わって携帯電話を見たらドイツやチェコからたくさんメッセージが届いていた」。05、11、16、17年とドイツリーディング4回のベテランも日本での勝利は格別だと言う。

 11日の共同通信杯では10番人気エイムアンドエンドを3着に導いて波乱を演出した。検量室ではあまり聞いたことのない、「ワクワクしながら乗っていた」という言葉に、私自身は驚かされた。17年バーデン大賞、バイエルン大賞などドイツを中心に多くのG1勝利を重ねてきた腕達者。大レースでも純粋に競馬を楽しめる姿勢こそが実力発揮の秘訣なのだと感じた。「今回はG1。ドイツダービーより賞金が高いくらいで、こんなレースはなかなかない。いいモチベーションで臨めるね」。今回も気合は十分に伝わってきた。

 昨年11月のJBCクラシック以降は勝利がないG1・3勝馬に、「落ち着いているから最後の脚が使えそう。個人的に相性が良さそうな馬」と42歳は色気を見せた。昨年は8着。芝スタートは課題だが、このメンバーなら上位の決め脚を備えている。確実に特徴をつかみ取ったいぶし銀のエスコートが何とも不気味に映る。(川上 大志)

【高木調教師に聞く】

 ―サウンドトゥルーの最終追い切りは坂路で併せ馬。54秒7―12秒5の時計を出しました。

 「間隔が詰まっているし、それほどやりたくはなかった。時計的にもこれくらいでちょうどいいですね」

 ―前走の川崎記念は5着でした。

 「普段から前半はモタモタする馬だけど、極端なスローペースで余計にもたついていた。結果は仕方ないですね」

 ―その後はフェブラリーS出走への態度を保留していました。

 「前走後に後肢と背中に疲れが見られていましたが、1週間様子を見た上で大丈夫と判断した。その後は回復して、順調に調整できています」

 ―レースはどのようなイメージを描いていますか。

 「自分から動く形よりペースが流れて差す競馬が助かる。地方より中央のダートの方が切れ味は増す馬。芝スタートに問題はあるけど、ペースが流れてくれたら飛んでくる感じはあります」

 ―昨年(8着)以上の走りに期待が懸かります。

 「ミナリクはパワフルな騎手。仕掛けるタイミングがカギだと思うので、相談しながら様々な想定をしていきたい」

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