【フェブラリーS】ノンコノユメ金メダル!完全復活を遂げJRA・G1初制覇

スポーツ報知
ノンコノユメ(手前)は内のゴールドドリームとの壮絶な叩き合いを首差制した

◆第35回フェブラリーS・G1(18日、東京競馬場・ダート1600メートル・良)

 第35回フェブラリーSは18日、東京競馬場で行われ、4番人気のノンコノユメ(内田)が上がり最速の強烈な末脚を繰り出してJRA・G1初制覇。16年2着馬が完全復活を遂げ、上半期のダート王に輝いた。

 満を持して、伝家の宝刀を抜いた。直線で大外に持ち出されたノンコノユメは、内田のゴーサインで一気に加速。ゴールドドリームを目標に鋭く四肢を回転させて馬体を併せると、最後は首だけ前に出た。「相手は世界一の騎手だし強い馬だったから厳しい形だったが、最後は根性を出してくれた」と鞍上が絶賛した走りで、悲願のJRA・G1初制覇を成し遂げた。

 イメージ通りだった。スタート後、最後方近くまで下げて砂をかぶらない外に持ち出し、その後は昨年の覇者を見る形で運んだ。「砂をかぶるとスピードが落ちてしまうし、(2着馬に)あまり離されたくなかった」。内田のエスコートが上がり最速36秒1の鬼脚につながり、自身は3年9か月ぶりのG1制覇。「競馬、特にG1を勝つのはそんなに簡単じゃないが、騎手でなければ味わえない喜び。大きいレースほど忘れられなくなる」と、美酒に酔いしれた。

 レース前に鞍を装着できないほどの激しすぎる気性は、16年6月の帝王賞(2着)後の去勢手術で解消。さらに昨夏を休養にあてたことで、弱かった右の股関節が良化し調教で負荷をかけられるようになった。「前走で復活して、今日も豪脚を見せてくれたのでホッとしています」とJRAのG1初勝利となった加藤征調教師は笑顔だった。

 これで米G1・ブリーダーズCクラシック(11月3日、チャーチルダウンズ競馬場)への優先出走権をゲットし「オーナーの意向次第ですが、興味はあります」と加藤征師。〈2〉〈7〉着から3度目の挑戦で悲願のタイトルを手にしたが、ノンコの夢はまだまだ続く。(西山 智昭)

 ◆ノンコノユメ 父トワイニング、母ノンコ(父アグネスタキオン)。美浦・加藤征弘厩舎所属のセン6歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算成績は21戦8勝(うち地方5戦1勝)。総収得賞金4億2561万1000円(うち地方8800万円)。主な勝ち鞍は根岸S・G3(18年)、武蔵野S・G3(15年)、ジャパンダートダービー・交流G1(15年)、ユニコーンS・G3(15年)。馬主は山田和正氏。

 <社台ファーム・吉田照哉代表「ケアが実った」>

○…ノンコノユメを生産した社台ファーム・吉田照哉代表(山田和正氏と共有)は「オーナーとは高校、大学の同級生。馬は背中が弱く、長い時間をかけてケアしてきたのが実りました。去勢もしましたしね。前回(根岸S)のレコード勝ちはダテではなかった」。きょうだいは、1歳にマジェスティックウォリアー産駒の妹。当歳は不受胎だったという。今年の種付け相手は未定。

<愛称が母ノンコの由来、のどかさん「夢がかないました」>

 ○…山田和正オーナー(70)は悲願のJRA・G1初制覇。「これからもっと活躍できそうで嬉しい。私は欲張りなんです。今後は芝のレースという考えもありますが、まず脚元の状態を確認して、調教師と話し合います」と喜んだ。長女のどかさんの愛称から命名した母ノンコの夢を託した息子の大仕事。のどかさんは「3歳のいい頃の走りに戻っていましたね。夢がかないました」と感無量だった。

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