【阪急杯】ダイアナヘイローがV!武豊騎手、今月末に定年引退する福島調教師へラスト重賞贈った!

スポーツ報知
福島調教師(左)の最後の重賞で勝利に導いた武豊が握手で祝福

◆第62回阪急杯・G3(2月25日、芝1400メートル・阪神競馬場・良)

 今月末に定年引退する栗東の福島信晴調教師(70)が25日、最後の重賞挑戦となった第62回阪急杯・G3(阪神)を武豊に導かれたダイアナヘイローで勝利。引退に花を添えた。

 「何とか勝ってくれ」。後続の蹄音が徐々に大きくなるゴール前。ダイアナヘイローの背で武豊は祈った。懸命に首を前に押し出し、猛追したモズアスコットを首差封じての勝利。曇り空から女神が最後にほほ笑んだ。

 今月末で引退する福島調教師にユタカが捧(ささ)げたラストタイトル。スタート直後は他馬に主導権を握られたが、3角手前でハナを奪い、自分のリズムを守った。「途中から先手を取って、いい形。さすがに最後はいっぱいいっぱいで、競馬の神様にお願いした。お世話になった先生だし、本当にうれしい」。福島師が涙を流しながら出迎えると「奇跡や、奇跡」とユタカの声も弾んだ。

 当初は前週の京都牝馬Sを予定していたが、開幕馬場のこのレースを選択。ラストウィークで重賞1勝を含む3勝と華々しい締めくくりにつながった。「開業当時イクノディクタスやミスタートウジンがいて、鳴かず飛ばずの時もあったが30年やってきた。最後に重賞まで取らせてもらえるとは…」と福島師は感極まった。

 今後ダイアナヘイローは大根田厩舎所属として再出発する。「夏女じゃないか、終わったんじゃないかと言われたけど、こういう力がある。G3だけと言わずG2、G1でいい競馬をしてもらいたい」と変わらずエールを送り続ける福島師。惜別の声が飛ぶ仁川で、最後の重賞に送り出した“まな娘”が忘れられない思い出を紡いだ。(橋本 樹理)

 ◆ダイアナヘイロー 父キングヘイロー、母ヤマカツセイレーン(父グラスワンダー)。栗東・福島信晴厩舎所属の牝5歳。北海道浦河町・大西ファームの生産。通算19戦7勝。総収得賞金は1億7798万5000円。主な勝ち鞍は北九州記念・G3(17年)。馬主は(株)駒秀。

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