【高松宮記念】ネロ、道悪馬場で一番時計50秒7!陣営は「他馬が苦にするなら道悪も歓迎」

スポーツ報知
水分を含んだ重い馬場でもいつも通りの好時計を刻んだネロ

◆高松宮記念追い切り(22日、栗東トレセン)

 春のG1シリーズ開幕を告げる第48回高松宮記念が25日、中京競馬場で行われる。栗東の坂路で好時計をマークしたネロは、渋った馬場を希望した。この日は出走馬が確定。きょう23日に枠順が決定する。

 週初めから断続的に降る雨は、木曜朝まで続いた。水分をたっぷり含み、相当重くなった栗東・坂路の馬場をネロが力強く上がった。単走で50秒7は堂々の一番時計。2番目が54秒4だけに、持ち前のパワー&スピードを十分に示したと言える。

 それでもこの馬にとっては驚く数字ではない。普段から楽に50秒台を切り、自己ベストが48秒2。当然と言える動きで、日高助手も「いつも通りです」と涼しい表情だ。7歳でも大きな衰えはない。だから、予想をする記者としては頭が痛い。

 6歳の昨年。スプリンターズSまでの4戦が〈11〉〈10〉〈8〉〈16〉着という結果を受けて、私の中で『終わった』馬だった。体調を崩していた面もあるが、実際に陣営が引退の可能性を示唆したこともあった。ところがキャリア2度目のダートが刺激になったのか、JBCスプリントでタイム差なしの4着に好走。続く芝の京阪杯で2連覇を飾ると、前走のオーシャンSはきつい流れを踏ん張って4着。完全に息を吹き返した。

 「さすがに衰えがなくはないだろうけど、成績を見ると…ないと言った方がいいでしょう」と日高助手は苦笑いだ。2歳時から調教で抜群に動き、スピードを生かす競馬スタイルも変わりない。前走で初めて騎乗したミナリクも「今まで乗った馬の中で、一番速いくらいの馬」と舌を巻いたほど。ドイツで4度のリーディングを獲得した名手の感覚を素直に信じたい。

 「気性が素直で、2歳時からいつも一生懸命。最近は、より扱いやすくなっていますね。他馬が苦にするなら道悪も歓迎。もっと(渋化が)残っていいくらい。引き離して、どこまで粘るか。ノーチャンスではないと思います」と日高助手は力を込めた。メンバー的に主導権を握る立場。週末までジメジメと渋った状態をキープできれば、不気味な存在になりそうだ。(宮崎 尚行)

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