【こちら日高支局です・古谷剛彦】水準以上の素質馬いた九州トレーニングセール 売却総額は減少

スポーツ報知
九州トレーニングセールで落札されたマイネアペリオの2016

 佐賀競馬場で2日に開催された「九州トレーニングセール」を訪れた。13年まではJRA宮崎育成牧場で行われていたが、博多から程近い佐賀競馬場へ舞台を移した14年から、購買登録者数が伸びた。5年目を迎えた今年は、例年より1週早い開催となったが、個人的には日程変更のおかげで、初めて九州トレーニングセールをライブ観戦することができた。

 初夏を思わせる暑い一日だったが、午前10時の騎乗供覧を前に多くの関係者が来場。受付やクロークでは、佐賀競馬の婦人部の方々が手伝い、騎乗供覧では佐賀、大井の騎手たちが上場馬に騎乗するなど、厩舎関係者も一丸となってセールを盛り上げていた。

 上場頭数が21頭と少なく、1頭は騎乗供覧には姿を見せず、競りのみの参加。20頭がそれぞれ、10組の併せ馬で1ハロンの計時を行うスタイルで公開調教が行われた。1番時計は3頭がマーク。マイネアペリオの2016(牝、父ストラヴィンスキー)、アポロパステル2016(牝、父アポロキングダム)、マルモリバニーの28(牝、父ローズキングダム)が11秒4をマークした。

 マイネアペリオの2016は、最高価格となる370万円(税別)で栗本博晴氏が落札した。マイネアペリオの2016は、九州産馬で好時計をマークした点から多くの関係者の目に留まり、活発な競り合いが展開された。牡馬の最高価格も九州産馬で、12秒3を計時したリャマーダの2016(牡、父ストラヴィンスキー)が350万円で、山本武司氏が落札している。

 セールの売却総額は2580万円(前年比560万円減)、売却率は52・4%(前年比14・3%減)と厳しい結果だった。牡馬が9頭の上場で2頭しか落札されず、昨年のような500万円を超える馬がいなかった点が、売却総額を伸ばせなかった要因となる。九州産馬は、小倉や佐賀で限定戦が行われる利点もあり、注目されつつあるセールではある。しかし、毎年課題となる上場頭数の確保が難しく、今年も半数以上が北海道の馬たちでは、なかなか購買者のニーズに応えきれていない側面は否定できないだろう。ただ、好時計をマークした馬たちの素質は水準以上のものがあり、マイネアペリオの2016は九州産限定に出走した際には、狙って面白い馬だと感じた。(競馬ライター)

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