【桜花賞】アーモンドアイ、軽い仕掛けで2馬身先着!

スポーツ報知
アーモンドアイでJRAの牝馬限定G1完全制覇を狙うルメール

◆桜花賞追い切り(4日・美浦トレセン)

 牝馬クラシック第1弾の第78回桜花賞・G1(8日、阪神)出走馬の追い切りが4日、東西トレセンで行われた。美浦のWコースで追い切られたシンザン記念優勝のアーモンドアイも上々の動きを見せた。なお、5日に枠順が発表される。

 2週連続で濃霧に覆われた美浦トレセン。アーモンドアイの追い切りを目視できなかった報道陣に対し、国枝調教師が不敵な笑みを飛ばす。「5ハロン67秒0―11秒4だよ」。視界不良から目視で計測しているストップウォッチが使えず、急きょGPS機能を搭載した計測器を騎乗者に着用し、状態のバロメーターを把握するうえで欠かせない調教時計を入手。周到な準備が実を結び、思わずニヤリだ。

 最終リハの舞台は美浦ウッドチップコース。陣営によればマンハイム(4歳500万)、ノチェブランカ(3歳未勝利)を追走し、直線では内へ潜り込んだ。ルメールの軽い仕掛けに対して、極上の反応を披露。併走馬2頭をあっさりと2馬身突き放して堂々のフィニッシュを決めた。

 「スタンドからじゃ見えない。俺は(コースの)内馬場で見ていたんだ。最後の一瞬は見えた。良かったよ」。動き、時計とも確認が不可能だった先週と同じてつは踏むまいと、自ら間近で観察できるコース内まで足を運んだ。10年牝馬3冠のアパパネを育てた名匠に一分の隙もなし―。GPS計測でラスト11秒4という圧巻の数字も手伝い、思わず表情が緩む。

 シンザン記念は大外一気で牡馬をなで斬り。「あれだけのパフォーマンスを見せた。追いつめなくても、同じだけ走れればいいよ。だから直行にした」と能力に対する信頼は厚い。「アパパネは2歳チャンプ。今回は挑戦する側」。言葉とは裏腹に、にじみ出てくる自信―。悪天候に負けることなく万全の態勢を整えた東の刺客が、文句なしに打倒・女王の一番手だ。(豊島 俊介)

【ルメールに聞く】

 ―アーモンドアイの最終追いは美浦Wコース。3頭併せで約2馬身先着しました。

 「いい反応でした。よく伸びていましたよ。トップコンディションになっていますよ」

 ―シンザン記念は騎乗していませんが、強い勝ち方でした。

 「ラスト150メートルの脚は素晴らしかった。瞬発力があります。エンジンがトップギアになってからは、すごい脚を使います」

 ―阪神の外回りは合いそうですね。

 「はい。広いコースは彼女にとっていいですね。ただ跳びが大きいので、ペースが遅くなって内枠だと大変。真ん中の枠から、直線で外へ出せれば」

 ―やはりラッキーライラックがライバルでしょうか。

 「一番強い牝馬でチャンピオンホース。できればこの馬をマークしたいですね。彼女の後ろで乗りたい」

 ―勝てば武豊騎手、蛯名騎手に続く史上3人目の牝馬限定G1完全制覇です。

 「桜花賞は勝ったことがない。去年(ソウルスターリング=3着)、2年前(メジャーエンブレム=4着)は大きなチャンスでした。今年は1番人気ではないと思いますが、いっぱい自信はありますよ。デビュー時からクラシックで乗りたいと思っていた馬ですから。楽しみです」(聞き手・豊島 俊介)

 ◆JRA牝馬G1完全制覇 JRAの牝馬限定G1を完全制覇したのは武豊と蛯名の2人だけ。武豊は09年のヴィクトリアマイル(ウオッカ)で史上初めての完全制覇を成し遂げ、蛯名が15年のエリザベス女王杯(マリアライト)で2人目の達成。ルメールは残す桜花賞制覇で3人目の記録達成となるか。

競馬

×