【皐月賞】ビートたけし命名キタノコマンドール1着あるのみ!

スポーツ報知
キタノコマンドールに大きな期待をかけるDMMドリームクラブの野本巧取締役

◆第78回皐月賞・G1(15日・芝2000メートル、中山競馬場)

 タレントのビートたけし(71)が命名したキタノコマンドールが、皐月賞(15日、中山)で人気の一角となっている。昨年から募集を開始したばかりの一口馬主システム「DMMバヌーシー」が牡馬クラシック第1弾に送り込んできた2戦無敗のディープインパクト産駒。バヌーシーを運営するDMMドリームクラブ(株)の野本巧取締役(48)が10日、単独インタビューに応じ、同馬への期待や今後について語った。

 ―クラブの初年度募集馬から、クラシック出走馬が出現しました。

 「クラブを始める際に考えたのは『馬生は一度。全馬がクラシックを目指せるようにしたい』ということでした。どの馬にも期待していましたが、キタノコマンドールが出走を果たしてくれました」

 ―16年7月のセレクトセール1歳市場で、1億9000万円で落札しました。

 「セール後の1歳11月に牧場で見たらグンと成長していて期待が膨らんだんです。それが12月に胃の病気に。すぐ治ったんですが、今度は調教を再開した2歳4月に捻挫してしまいました。高額馬で注目される馬ですから、昨年8月のサービス開始時には募集しないことすら考えていました。幸い2歳の7月に完治したので、募集をかけることができたのですが。この間に馬体重は455キロから535キロに。80キロも増えたことが結果的には良かったんだと思います」

 ―その馬がデビューから2連勝中です。

 「歩様が硬い馬で、新馬戦の追い切り後は『大丈夫かな』と思いました。12月23日の初陣で勝ちましたが、池江先生(調教師)は『血統で走った感じです』とおっしゃっていましたね。ところが、次のすみれSに向けて帰厩した時には全く別馬になっていたんです。最終追い切りの前日に池江先生は『これはひょっとするかもしれません』と。この馬の成長力ですね」

 ―2戦目にオープンのすみれSを選んだ理由は。

 「走るとコズミ(筋炎、筋肉痛)が出る馬なので、レース間隔にはこだわりました。すみれSから皐月賞ならば7週間の間隔を取れますから」

 ―すみれS当日は?

 「馬主席ではなくゴール前で叫んでいました。これまでもできる限りゴール前で見るようにしているんですよ。でも、さすがに皐月賞だと人がいっぱいかな?(笑い)」

 ―強さはもちろん、ビートたけしさんが命名したことでも注目されます。

 「野球のイチロー選手が“世界のイチロー”と呼ばれるように芸能界では“世界のたけしさん”ですから。計り知れない努力と能力、運を持った方にお願いしたかったんです」

 ―とすれば、この馬で海外挑戦も見据えている?

 「考えないわけではありませんが、そのクラスの馬になったとしても、行くのは5歳か6歳だと思っています。2週間前に池江先生から『凱旋門賞の登録をしておきましょうか?』と言われましたが、今年はやめておこうという結論になりました」

 ―「DMMバヌーシー」は1頭1万口、近況動画が毎週配信されるなど革新的手法も話題です。

 「競馬は“体験するべきもの”。馬券を買うだけではなく、実際に馬に出資して“内側”を体感することにも大きな価値があると考えています。自分の応援する馬がいれば、馬主、調教師、牧場などに近い感覚も味わえますからね」

 ―皐月賞へ、期待のほどを聞かせてください。

 「リーディングサイヤー(ディープインパクト)の子で、リーディング牧場(ノーザンファーム)の生産。トップ調教師が管理して、トップの騎手(Mデムーロ)が手綱を執る。名付け親は日本一のタレント。結果もそう(トップと)なれば最高ですね」(聞き手・川上 大志)

 <◆DMMバヌーシーとは> 17年8月にスタートしたDMM.com証券が提供する一口馬主サービス。40~500口で募集する一口クラブが多いなか、最大1万口の超小口でリーズナブルに一口馬主になれるのが特徴。スマートフォンの専用アプリを通じて募集馬の購入や近況確認が可能。賞金の分配などはDMM.com証券の口座を通じて行われる。

 <◆DMMドリームクラブ(株)> DMMバヌーシーのクラブ法人。17年4月にJRAの馬主登録を完了した。所有馬は現3歳世代が4頭(うち1頭が引退)。現2歳世代は11頭がデビューに向けて募集されている。野本巧氏が同クラブ取締役兼DMMバヌーシー代表を務めている。

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