【古谷 剛彦・こちら日高支局です】JRAブリーズアップセールの最高価格馬、日高育成牧場の育成成果が現れる

スポーツ報知

 先週の当欄で、ホッカイドウ競馬の開幕日に行われる、全国最初の2歳戦「スーパーフレッシュチャレンジ競走1」を紹介した。しかし、このレースを迎える直前から、門別競馬場に霧が濃くなり、視界不良のためこのレースから競走取り止めとなってしまった。改めて、5月2日に再投票して実施することになったので、ご注目頂きたい。

 さて、24日に中山競馬場で「JRAブリーズアップセール」が開催された。皐月賞馬に輝いたエポカドーロの母であるダイワパッションは、第1回の取引馬で、最高価格を記録した。その子供がクラシックホースとなった節目のセールに、新規120人を含む多くの購買関係者が来場した。

 宮崎育成牧場の馬たちは昨年、育成馬展示会の段階で仕上げ過ぎ、本番で想定していた時計より速くなってしまった反省があったそうだ。それを踏まえ、メンタルを重視して育成。目立つ時計をマークした馬はいなかったものの、余力を残し、想定通りの調教時計を出すことができたという。

 日高育成牧場は、屋内坂路のウッドチップをハロー掛けのみで対応。普段より負荷が掛かる形で調教を積めたという。今回の最高価格と2番目の高額馬は、1ハロンと2ハロンがともに同じラップを刻んだが、直線に坂のある中山コースを考えると、ほぼ馬なりでしっかり脚を伸ばした内容に、育成の成果が出たと評価できるだろう。

 また、今年から、上場馬の喉にエコーを撮るための毛を刈った跡があり、JRA宮崎育成牧場の頃末憲治業務課長にお伺いした。

「従来であれば、内視鏡検査で喉頭片麻痺の診断をしていましたが、今年から研究の一環で、喉のエコー検査で、どのような状態かを知見で得るために、今後の研究の上で始めました」

 若駒の段階では大きな差が見られていないとのことだが、この検査により、喉頭片麻痺の症状を診断した上で欠場を決めた馬もいたそうだ。また、育成馬展示会の時に、新規馬主を対象に、レポジトリーの見方などの講習を実施することはこれまでにもあったが、今年はセール前日の比較展示前に、ランチョンセミナーと題し、昼食を取りながら内視鏡の見方を学習する取り組みも行った。多くの購買関係者が参加し、セールに向けてしっかりと学習する様子は、情報開示を徹底しているセールならではの取り組みと言えよう。(競馬ライター)

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