【天皇賞・春 ボウマンに聞く】シュヴァルグラン余裕あった!ボウマン騎手「気持ちが乗っている」
◆天皇賞・春追い切り(25日・栗東トレセン)
天皇賞・春・G1(29日、京都)に出走する全17頭の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。大阪杯13着のシュヴァルグランは、再び手綱を執るボウマンに促され力強い伸び脚を披露。長距離戦の「カギ」を馬のメンタル面に求める世界的名手は、同馬の精神状態を「ハッピー」と表現し自信をのぞかせた。
―シュヴァルグランとは昨年の有馬記念(3着)以来のコンビです。追い切りは栗東の坂路で54秒6―12秒8で、ジェニシス(4歳1000万)に1馬身先着でした。印象は?
「状態に関しては友道調教師を信頼しています。それよりも確認したかったのは、メンタルな部分でハッピーかどうか。距離が長いレースはフィジカルな部分だけではなく、メンタル面が連鎖してくる。気分良く走っているかがキーで、乗った感じでは昨秋と同じくらいハッピーだったよ」
―乗っていて「ハッピー」と感じるのは、どんなときか。
「角馬場などで他の馬が寄ってきても、ハッとしたりせずに余裕があるか、ということ。またがる瞬間から乗っている間、ゆっくり歩くところまでそれは同じ。今日は余裕があって、十分に気持ちが乗っていると感じた」
―シュヴァルグランの長所を挙げてください。
「ビシッと切れないが、長くいい脚を使えてスタミナが豊富。大阪杯(13着)はかみ合わなかったが、2400メートル~3000メートルの距離でベストのパフォーマンスが発揮できる馬だと思う。僕は2年前にフェイムゲーム(8着)で春の天皇賞に乗ったけど、そのときはスローで前に行けなかった。でも、シュヴァルグランはペースが遅いと思ったら前に行ける。そんな自在性もある」
―最後に意気込みを聞かせてください。
「有馬記念は中山コース自体が合わなかったもので、京都や東京のような広いコースの方がいい。それに、今回はチャンピオンホースのキタサンブラックがいない。僕にジャパンCを勝たせてくれた思い入れの深い馬で、また乗れるのはありがたい。頑張ります」(聞き手・内尾 篤嗣)
<友道調教師「迫力感じた」>
息の合った動きを、友道調教師は頼もしそうに見つめていた。シュヴァルグランは栗東の坂路で前半はリラックスした脚さばきで進め、ゴーサインに力強い伸び脚で応えた。「ボウマン騎手に感触を確かめてもらいました。雨が降り続く馬場は得意ではないけど、それでも追い出されたときには迫力を感じました」とトレーナー。予定は54~55秒。目論見通り54秒6でフィニッシュした。
メンバー唯一のG1ホースが春の大目標へ、順調に状態を上げてきた。「先週はCWコースで3頭で併せて、しまいがしっかり。2000メートルの大阪杯を使った影響でレース直後は若干行きたがる面を見せていたけど、修正できました。16年に3着、昨年2着ときているので、それ以上を狙っています」と友道師。3年越しで狙うタイトル。やり残したことはない。