【天皇賞・春 三浦皇成に聞く】クリンチャー伸びた!初コンビ三浦皇成騎手「いい走り」
◆天皇賞・春追い切り(25日・栗東トレセン)
天皇賞・春・G1(29日、京都)に出走する全17頭の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。騎乗停止中の武豊に替わってクリンチャーに初騎乗する三浦は、人馬ともに悲願となる初のJRA・G1奪取を誓った。
―クリンチャーの騎乗依頼があった経緯を教えてください。
「日曜(22日)のレースが終わり、一段落した時に依頼がありました。驚きしかなかったですが、自分を選んでくださって、(前田幸治)オーナーに感謝しています」
―またがる前のイメージはどうでしたか。
「一線級で走っている馬と比べて、幼さや反応の鈍さがあるのかと思っていましたが、前走を見る限り、しっかり(反応できる)スイッチがあるんだなと思いましたね」
―栗東の坂路で54秒9―12秒6。実際にまたがってみて、いかがでしたか。
「坂路まで常歩(なみあし)で歩いたんですが、扱いやすくてすぐにコンタクトを取れましたし、G1を取りにいく馬のいい背中をしているな、と思いました。55秒を切ったくらいでしたが、もっといい時計が出るような感じでしたし、最後までいい走りを持続できていました」
―阪神大賞典は前半で折り合いを欠いて3着でした。
「あの馬のセールスポイントと思って、気の乗りを競馬でいい方に持っていけたらなと思っています」
―京都の3200メートルに舞台が替わります。
「リズム良く、コースロスなく立ち回ることが大事。気持ち良く走りきれるように導けたらと思います」
―人馬ともに悲願のG1制覇がかかります。
「オーナーには『任すぞ。頑張ってくれ』と言っていただきました。オーナーを含めて強い気持ちが伝わってきましたし、勝ちにいきたいですね。この馬がリズム良く走れれば、間違いなく、いい結果がついてくると思います」
<宮本調教師「胸張って出せる」>
クリンチャーが万全の仕上がりだ。初コンビを組む三浦がまたがり、栗東の坂路へ。ゆったりと入り、ラスト1ハロンを迎えても鞍上はアクションを起こさなかったが、自ら加速してラストは12秒6をマークした。
調教で攻めた阪神大賞典は折り合いに苦心し、3着に敗れた。今回は調整方法を変更し、追い切りでは余力を残した。「1、2週前はコースでやり、今日は坂路で流すような感じ。三浦さんには『すごい馬ですね』と言ってもらった。100%の状態で、胸を張って出せる」と宮本調教師は満足そうな口ぶりだ。
凱旋門賞(10月7日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)に登録しており、秋を占う大事な一戦。「持って生まれたスタミナは優れている。ズバリ勝ってくれたら一番うれしい。いいレースをして凱旋門賞へ行けたら」。淀の直線を滑走路に、フランスへ飛ぶか。