【宝塚記念 ヤマタケが見た】サトノダイヤモンド、坂路調教で闘魂注入!池江調教師は復調へ手応え

スポーツ報知
坂路調教で気持ちが前向きになったサトノダイヤモンド

◆第59回宝塚記念・G1(24日・芝2200メートル、阪神競馬場)

 第59回宝塚記念・G1が24日、阪神競馬場で行われる。ファン投票1位に選ばれたサトノダイヤモンドはヤマタケ(山本武志)記者が「見た」で分析した。

 復活への“劇薬”と言っていいだろう。サトノダイヤモンドは今までほぼ栗東・CWコースで追い切りを行ってきたが、先月31日に同坂路で初めて追い切りを行うと、その翌週も52秒5をマーク。これだけの実績馬が調教パターンを変えることは大きな決断だ。その意図を池江調教師に聞いた。

 「刺激を与えるためです。坂道(を上る)というのは、その時に(平坦以上の)踏ん張る力がいる。向かっていく時の前進気勢というかね。だから、スプリンターのような気持ちのスイッチが入ってほしかった。(CWコースでの)1週前追い切りは珍しくゴール前でステッキも入れました」 昨秋の仏遠征以降、長いトンネルを抜け出せない。前走の大阪杯は見せ場もなく、国内で初の着外となる7着に沈んだ。

 「馬体に関しては悪くはないんです。今は息遣いも問題がなく、喉の調子もいい。要は気持ちの問題だと思います」

 闘争心を引き出すことに重点を置いた工夫が実を結びつつある。1週前追い切りを行った14日。調教へ向かう前、軽いキャンターのように、弾むような感じで馬房から飛び出した。絶好調だった3歳時の菊花賞や有馬記念の頃に、よく見せていた仕草。池江師は今年、初めて見たという。

 「3歳の有馬記念、菊花賞までは厳しいかもしれないが、厩舎で全力を挙げて、さらに状態を上げていきたい」

 そう口にした後、「今週の追い切りに注目していてください」と言葉を続けた。穏やかな表情ながら、力強い口調に復調への確かな手応えを感じた。(山本 武志)

競馬

×