【宝塚記念 ヤマタケが見た】ヴィブロス、軽めでも仕上がり抜群!

スポーツ報知
霧が立ちこめるなか、雨で重くなった坂路を真っすぐに駆け上がったヴィブロス

◆宝塚記念追い切り(6月20日・栗東トレセン)

 第59回宝塚記念(24日、阪神)の追い切りが20日、東西トレセンで行われた。注目はドバイ遠征帰りのG1馬。ヴィブロスは栗東・坂路で地味な時計だったが、ヤマタケ(山本武志)記者はこれをレース本番まで闘争心を“温存”するための名采配ととらえた。

 これまでヴィブロスの調子が最も良かったレースと言えば、真っ先に昨年のエリザベス女王杯が思い浮かぶ。栗東・CWコースでの1週前追い切りで7ハロン94秒7―11秒8を出し、のちのダービー馬ワグネリアンに先着した動きは圧巻だった。

 しかし、レースでは行きたがり、直線で伸びを欠く5着。友道調教師が当時を振り返る。「レース当週の調教を騎手に乗ってもらったが、想定以上に速い時計。スイッチが入ってしまいました」。状態のよさが招いた思わぬ落とし穴だった。

 今回も1週前追い切りは6ハロン80秒8―11秒2と抜群。だからこそ、最終追い切りに注目していた。栗東・坂路で、助手が騎乗して単走。手綱はほとんど動かなかったが、直前の豪雨でパワーが必要になった馬場でもバランスを崩さずに真っすぐ駆け上がった。時計は58秒7と地味だが、「ここまで思った通りにきています」とトレーナーは納得の表情。女王杯と同じ2200メートルへの投入だが、理想的な調整で仕上げた今回、距離への不安は全く感じさせない。

 友道調教師は、慎重に使うレースを判断するタイプだ。昨年のドバイ遠征後は秋からの復帰だったが、今年は夏のグランプリ参戦にGOサインを出した。「ドバイ帰りはダメージがないんです。ドバイが合うんでしょうね。(帰国後の放牧先でも)馬体はむしろ、フックラしているぐらいでした」。肉体面の不安は皆無。あとはレース当日、中間はあえて眠らせた闘争心に火がつけば、上位争いは必至だ。(山本 武志)

<一昨年秋華賞以来のコンビ福永も手応え>

 ○…ヴィブロスとコンビを組むのは、一昨年の秋華賞以来となる福永。13日の1週前追い切りで久々に騎乗し「動きもよく気持ち良さそうに走っていた。全体的にボリュームアップしている」と好感触をつかんだ様子だ。友道厩舎とのコンビでは日本ダービーのワグネリアンで悲願の勝利をつかんだ。「この馬と一番相性のいいジョッキー。ダービージョッキーとして乗ってもらえるので期待している」と友道調教師も厚い信頼を寄せている。

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