【宝塚記念 宮崎の宝さがし】実績馬キセキ、サトノダイヤモンド、復活気配も波乱含み

スポーツ報知

◆第59回宝塚記念・G1(24日・芝2200メートル、阪神競馬場)

 復活を期す栗東の両雄の最終追い切り。動きと陣営の感触を、いつも以上に注意深く探った。名門厩舎が打った策は―。

 CWコースに単走で入ったキセキ。地味だがリラックスした動きこそが、担当の清山助手が指摘した調教の効果だろう。「普段から、いかに落ち着いて対応できるかをテーマにしてきました。元来、生真面目で、前走のように闘争本能がマイナスに出る時がある。坂路に入れると気負いやすい。この気負いが一番の課題」

 帰厩後の約1か月で坂路に入れたのは2回。これまで多い日は週5回。折り合いを欠いた前走、日経賞9着の反省を踏まえた勝負手だった。角馬場やCWコースをメインに、しかも馬が少ない時間帯を狙いながら気性面をつくり直してきた。一変の要素は確かにある。

 同じCWでサトノダイヤモンドは3頭併せ。直線の反応は良く映った。こちらは対照的に、闘争本能をかき立てるよう中間の速い追い切りで初めて坂路を導入。担当の中沢助手が明かす。「ここ2走は全く気持ちが乗りきっていませんでした。でも、かなりピリッとしてきた。いい頃のしぐさ、前向きさが出ています」

 上向きの変化は間違いないが、ベストまで上がりきるのか。騎乗したルメール騎手の話を聞くと「馬が良かったら、絶対勝てると思う」。わざわざ『馬が良かったら』と注釈をつけたあたり、現段階では良化途上とも取れる。池江調教師も「いい頃に近づきつつある」と満点ジャッジではない。

 ともに内面の課題だけに、判断が難しい。ちょうど開催中のサッカーW杯では前大会王者ドイツが初戦で敗れるなど、FIFAランク上位チームの苦戦が続く。前日には我ら日本代表が、格上コロンビアを下した。実績上位のG1馬2頭を確実に押せる材料が見つからず、グランプリも波乱ムードが漂う。枠順など、まだまだ探る要素は多い。

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