【新潟記念】夏の新潟で始動のブラストワンピース、古馬撃破で菊花賞へ弾みつける!

スポーツ報知
鞍上の池添が能力を高く評価するブラストワンピース。夏の新潟から菊花賞を目指す

◆第54回新潟記念・G3(9月2日・芝2000メートル、新潟競馬場)

 今年の日本ダービー5着馬、ブラストワンピースがサマー2000シリーズ最終戦の新潟記念(9月2日)で始動する。84年のグレード制導入後、3歳馬が勝っていないハンデG3から目指すのは菊花賞・G1(10月21日)。春の実績馬では過去に例のないローテーションへ、まずは古馬撃破を目指す。また、実績馬に上り馬が絡み合う3歳牡馬戦線の秋の行方を、ヤマタケ(山本武志)記者が占った。

 日本ダービー5着のあと休養していたブラストワンピースが始動戦に選んだのは新潟記念。デビューから4戦すべてで手綱を執る池添は「ここは最終目標じゃないし、あとは古馬との対戦がどうかですけど、そこでつまずくような器じゃないと思う」と、パートナーの能力に自信を見せる。

 3冠最終関門へのローテーションとしては異例といえる。1983年を最後に3歳馬が勝っていないハンデG3。セントライト記念、神戸新聞杯といったトライアルではなく、サマー2000シリーズ最終戦から菊花賞へ向かう道を進む理由のひとつは左回りにあった。「左回りにこだわりたいというのはある。(右回りの阪神での)毎日杯の時はコーナリングが少しぎこちないとジョッキーも言っていた」と大竹調教師。本番を見据えて右回りに慣らすよりも、得意の舞台で古馬を相手に力を試す。もちろん、毎日杯からダービーへ直行したように、体質的に間隔を空けた方がいい点も考慮しての決断だ。

 23日の美浦・Wコースでの1週前追い切りは、外ショウナンガレオン(3歳未勝利)を3馬身追走して、6ハロン80秒8―12秒2。500キロを超す大型馬らしい力強いフットワークで5馬身先着した。感触を確かめた池添は「身のこなしに重たさを感じなかった。乗って体が成長している感じがした。いい形で夏を越してきてくれている」と、好仕上がりに手応えだ。

 デビューから3連勝で毎日杯を制し、ダービーは出遅れや勝負どころで進路を切り替えるロスがありながら0秒2差5着。大竹師が「能力があることは再認識できた」と振り返れば、「悔しい思いをした。大きいタイトルを取れる馬」と池添は言う。35年ぶりの3歳馬Vの向こうににらむ菊の大輪。ブラストワンピースが夏の越後路から秋の淀へ向かう。(坂本 達洋)

   <ヤマタケ記者が占う 前哨戦・神戸新聞杯に注目>

 新潟記念で始動するブラストワンピース、ラジオNIKKEI賞(2着)から菊花賞へ直行予定のフィエールマンなどローテーションは多彩だが、有力馬は今年も神戸新聞杯に集まりそう。

 ダービー馬ワグネリアン、皐月賞馬エポカドーロのほか、気になるのはラジオNIKKEI賞を勝ったメイショウテッコン、7月中京で1000万特別を勝ったダノンマジェスティ(皐月賞馬アルアインの全弟)といった上り馬。過去10年で日本ダービー以来の実戦だった馬が8勝と春の実績馬優位なトライアルだが、今年は逆転があるのか。菊花賞へ向かうかどうかを含め、有力馬のその後の路線選択という観点からも重要な前哨戦だ。

 距離適性を重視し、古馬との対戦に矛先を向ける馬もいる。注目は天皇賞・秋で復帰するダノンプレミアムだ。東京芝2000メートルの施行で勝った3歳馬は96年のバブルガムフェロー1頭(02年シンボリクリスエスは中山施行)という古馬の壁が高いレース。世代トップクラスのポテンシャルを秘める同馬がどこまで走れるかで、現3歳牡馬のレベルが測れるはずだ。(山本 武志)

 <同じシルクレーシングのセダブリランテス、復帰戦V狙う>

 ブラストワンピースと同じシルクレーシングが送り込むのが、5戦4勝の4歳牡馬、セダブリランテスだ。天皇賞・秋(10月28日、東京)に向けての前哨戦になるが、骨折明けからの復帰戦でもある。

 今年の中山金杯で重賞2勝目を挙げたが、レース後の放牧先で左トウ骨遠位端の剥離骨折が判明。春は休養に充てたが、幸い症状は軽く、乗り込み再開後は順調。手塚調教師は「患部を気にする仕草もないし、十分乗り込んで、状態はいい。新潟の軽い芝はあっていると思う。いい復帰戦になれば」と期待していた。

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