【マイルCS】石川裕紀人騎手、G1馬ジュールポレールに覚悟の代役騎乗「与えられた仕事を一生懸命に全うしたい」

スポーツ報知
今週になってジュールポレールの依頼が舞い込んだ石川。久々のG1騎乗に力が入る

◆第35回マイルCS・G1(11月18日・芝1600メートル、京都競馬場)

 第35回マイルCS・G1(18日、京都)の出走馬18頭が15日、確定した。G1馬ジュールポレールの鞍上は、落馬負傷の幸英明騎手(42)=栗東・フリー=に替わって、デビュー5年目の石川裕紀人騎手(23)=美浦・相沢厩舎=に白羽の矢が立った。骨折による長期休養を経た関東若手のホープが、久々のG1参戦に意気込みを語った。なお、枠順はきょう16日に決定。馬券は17日から前売り発売される。

 「責任感を感じますし、与えられた仕事を一生懸命に全うしたい」。突然巡ってきた7度目のG1参戦。石川は冷静な口ぶりで思いを語った。ジュールポレールに騎乗予定だった幸が11日の京都競馬で落馬負傷。その“代打”を務める覚悟に浮かれる様子はない。

 今回騎乗する騎手で最年少の23歳。喜びもつらさも経験した5年間の経験は濃い。2年目で40勝とブレイクし、その後も順調にキャリアを重ねて迎えた昨年7月16日。福島10R(ダイワエキスパート)で落馬負傷のアクシデントに見舞われた。左下腿(かたい)骨骨折で約9か月も棒に振った。

 今年の4月28日に復帰してからは17勝を挙げたが、「この成績でG1で有力馬に乗せていただけるのは恵まれています」と満足はしていない。復帰後初のG1騎乗は「チャンスを生かさなくちゃいけない」と自らに言い聞かせた。

 落馬する2週前にはラジオNIKKEI賞(セダブリランテス)で重賞初制覇。大舞台で期待に応える喜びを知った今は「G1なので、オーナーや関係者の思いはより募っているはず」と、携わる人の願いをムチに込めるつもりだ。パートナーのジュールポレールは今週の栗東で最終追いに騎乗。「G1馬なので当然、いい動きでした。乗りやすい馬で、いい感触をつかめました」

 関西馬であるにもかかわらず、関東の若手騎手を指名した西園調教師は「馬への当たりの柔らかさがピッタリ」と相性の良さを強調した。その騎乗フォームは、目標であるムーアを模したもの。憧れの名手は今週から短期免許で来日し、ライバルのアエロリットで対決する。「濃い話はしたことがないですが、ずっと尊敬しています。僕が語れるレベルではない、すごいジョッキー」。外国人騎手が強さを見せるなか、5年目のホープが新風を吹き込む。(石野 静香)

 ◆石川 裕紀人(いしかわ・ゆきと) 1995年9月22日、東京都生まれ。23歳。美浦・相沢郁厩舎所属。14年3月にデビューし、同年6月1日の東京2R(ニシノソラカラ)でJRA初勝利。重賞勝ちは17年ラジオNIKKEI賞(セダブリランテス)。JRA通算132勝。162センチ、50キロ。血液型A。

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