【凱旋門賞・記者が振り返る激闘の歴史】<上>受け入れがたかった2006年ディープインパクトの敗北

2016年9月23日10時45分  スポーツ報知
  • 06年の凱旋門賞で3着に敗れたディープインパクト(中央)

 凱旋門賞(10月2日、仏シャンティイ競馬場・芝2400メートル)まで10日を切った。今年は日本ダービー馬マカヒキが挑戦するが、1969年のスピードシンボリから延べ19頭が欧州の分厚い壁にはね返されてきた。現地で取材した記者が3回にわたって振り返る。1回目は3位入線から失格となった06年ディープインパクト。

 絶対に勝つものだと思っていた。ディープインパクトが4歳で挑戦した06年を現地取材。穴党の記者ですら負けるはずがないと信じていた。

 日本で社会現象となるほどの実力と人気を備えた歴代最強馬。ロンシャン競馬場には異例の日本人専用窓口が設けられ、日本語の投票用紙も。記者席から一歩外に出ると小旗を持った添乗員に誘導されるツアー客。日本からの大応援団は、5000人にも上った。

 海外での評価は、3歳だった前年に続く連覇を狙うハリケーンラン、それをフォワ賞で破ったシロッコと3強だったが、当日の競馬場ではディープの単勝1倍台は必至。イギリスにいる知人に10万円を託した。ブックメーカーなら4倍の配当が確定していたからだ。分不相応な“記念馬券”はレシート並みに薄っぺらい感熱紙。数年後には文字が消え、記念にもならなくなった。

 結果的に故意ではない禁止薬物の検出で後日、失格裁定が下ったが、日本の5冠馬(当時)の3位入線自体が受け入れがたい結果だった。「本来の走りではなかったが、直線は相手も強かった」とレース後の武豊。着差は1馬身弱。序盤に押し出されたのが響いたか、海外遠征の難しさか。世界の最高峰では、わずかな出来事が敗因となる。

 古馬のライバルは“負かした”が、この年も勝ったのは斤量が軽い3歳馬レイルリンク。強い世代の日本ダービー馬マカヒキなら勝機は十分とみている。(田中 恵二)

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