【ドバイシーマクラシック・能力分析】レイデオロに立ちはだかるクロスオブスターズを分析

スポーツ報知
昨年の仏G1凱旋門賞2着馬のクロスオブスターズ

 G1ドバイシーマクラシックが31日に迫った。今年はフランスのクロスオブスターズと、レイデオロ、サトノクラウン、モズカッチャンの日本勢による争いという図式。小欄ではクロスオブスターズに加えて、ポエッツワードを取り上げたい。

 クロスオブスターズ(牡5歳、仏・ファーブル厩舎)は昨年の仏G1凱旋門賞で2着。勝ち馬エネイブルには2馬身半差をつけられたが、後方から馬群を割って末脚を伸ばし、G1英インターナショナルSの勝ち馬ユリシーズ(3着)との追い比べを制した。

 クロスオブスターズは、ほかにも欧州最優秀ステイヤーのオーダーオブセントジョージ(4着)、仏ダービー馬ブラムト(5着)、昨年のドバイシーマクラシック2着馬セブンスヘブン(14着)、日本のサトノダイヤモンド(15着)など一流馬に大きく先着した。展開や相手に恵まれた印象はなかったし、能力は高いと見ていいだろう。

 凱旋門賞のあとは、ドバイシーマクラシックを目標に掲げて調整されてきた。管理するアンドレ・ファーブル調教師は、通算28回もフランスのリーディングトレーナーに君臨する名伯楽。昨年の凱旋門賞のように、ターゲットから逆算してきっちり仕上げてくる。まだナドアルシバ競馬場で行われていた時ながら、2004年のドバイシーマクラシックをポリッシュサマーで優勝した実績もある。日本馬にとって手ごわい相手となるだろう。

 ポエッツワード(牡5歳、英・スタウト厩舎)はG1未勝利ながら、昨年の愛チャンピオンSと英チャンピオンSで2着に好走。どちらも欧州を代表する芝2000メートルのG1競走だ。特に後者ではフランケル産駒の大物クラックスマンに7馬身離されながらも、日本の海外馬券発売でもおなじみの実力馬ハイランドリール(3着)に先着した。

 前走のG1香港カップは6着だったが、シャティン競馬場の芝2000メートル戦では不利となる大外12番ゲートが響いた。しかも1200メートル通過が1分15秒76という超スローペースのなか、後方を追走してしまったことを考慮すれば、よく追い上げたともいえる。

 管理するマイケル・スタウト調教師は、ナドアルシバ時代のドバイシーマクラシックをファンタスティックライト(2000年)で制している。また、これまでドバイシーマクラシックに4頭出走させて、1勝、2着1回、3着1回と高確率で上位争いに加わる。ポエッツワードも勝算あっての参戦とみて、警戒が必要だろう。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、南関東版・競馬ブックと研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。

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