【クイーンエリザベス2世C】川上大志記者の現地厩舎突撃取材 「過去最高」のデキにある馬は…

スポーツ報知
日本経験も豊富なクラーク助手

 昨年3月のドバイ国際競走以来となる海外出張。あのときと同じく、香港でも到着翌日から雨に見舞われた当方…。変わらぬツキの無さを悲しんでいる暇はない。シャティン競馬場に着くなり地元の香港馬が調整する厩舎エリアへ出向いた当方に、すてきな出会いが待っていた。

 「ハーイ!」。前方から自転車でやってきたのは、何とも元気なイギリス人の女性スタッフ。地元のチャン厩舎で調教助手を務めるジャスティン・クラークさん(年齢は内緒!)だ。

 チャン厩舎といえば、15年スプリンターズSに出走したリッチタペストリー(6着)がいる。聞けば、担当助手として当時帯同していたのが、クラークさん本人だった。「あのとき、勝ったのは女の子(ストレイトガール)だったかしら? 私の馬ももう少しスムーズだったら、2、3着はあったわ」。当時のレースは、前が空かず、ようやく追い出せたのが直線の半ば。改めて一緒にレース映像を見ても、その悔しがりように納得がいく。

 身ぶり手ぶりを交えながら、気さくな対応のおかげで会話が弾む。彼女は日本での生活も長い。1997年には日進牧場、2000~2010年にかけては障害界のスターホース、オジュウチョウサンを輩出した坂東牧場で研修した経験もある。ズバリ、今年のチャンピオンズデーの見立ては?

 「スプリントは正直、今年も香港勢に分があるわね。(チェアマンズスプリントの)ファインニードルは日本の新チャンピオンだけど、ミスタースタニング、ラッキーバブルスは強敵よ。ロードカナロア(12、13年に香港スプリント連覇)クラスじゃないと厳しいかも。でも、中距離路線なら話は別。日本馬は鍛えられていて操縦性が高く、スピードもある。アルアインもダンビュライトも、クイーンエリザベス2世Cで好勝負になるはずよ」

 ちなみに、彼女がその後に案内してくれた友人が、海外馬券発売対象レースであるクイーンエリザベス2世Cに3頭(タイムワープ、パキスタンスター、ゴールドマウント)を送り込むクルーズ厩舎のジェイビー助手。ここぞとばかりに厩舎内で勝負気配を聞いてみると、真っ先に返ってきたのが「タイムワープ!」の名前だった。「厩舎内でも出来は過去最高と評判さ。日本馬も手ごわいけど、逃げれば簡単には止まらないよ」

 日本でも馬券につながることが多い厩舎・スタッフ取材。当方はもちろん、この原稿を読んだ方々に少しでも参考になれば幸いだ。(川上 大志)

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