第19回ゴールデンスピリット賞 球場外のMVP 11月8日発表

2017年10月11日7時0分  スポーツ報知

第19回受賞者来月8日発表 プロ野球人の社会貢献活動を表彰する報知新聞社制定「ゴールデンスピリット賞」が今年で19回目を迎え、候補者が出そろった。今年は監督、選手、球団関係者など15人がノミネート。活動も年々、多岐にわたり、新生児医療支援、1型糖尿病基金、ひとり親支援、小児病棟への訪問、海外への支援など、多くの選手がさまざま社会貢献に携わっている。“日本版ロベルト・クレメンテ賞”は11月8日に発表される。

 佐山 和夫

 すごい野球人とは、どんな人のことなのか。

 「二刀流」選手の出現もすごい話だし、投げて、打てて、守れての「三拍子」選手の話も高校野球などではよくある。プロ野球なら、能力を最も有効に生かす働き口を見つけてくれるいいエージェントがついていてこそ…との「四拍子」説も、大リーグにはある。

 しかし、実はそれをさらに上回る「五拍子説」もあって、これらに加えるに、社会への貢献度が入れられる考えだ。

 この考えを発生させたのが、パイレーツで1955年からの18年間、右翼手を務めていたロベルト・クレメンテだった。ライフル・アームと呼ばれた遠投力は抜群。首位打者になること4度の打撃は、粗野ながら堅実だった。

 プエルト・リコ出身の褐色の選手ということで、ジャッキー・ロビンソンの2倍の苦しみを味わったとされるが、72年、通算3000本目のヒットを放ってシーズンを終えた彼は、郷里のプエルト・リコでクリスマス休暇を楽しんでいた。折しも、突然起きたニカラグワでの地震の報に、彼はすぐに立ち上がり、必需物資を集めた。そして救援機に積んで飛んだ。このとき、誰が想像しただろう、その機がサンフアンの海に落ちようなどと。

 大リーグでは、それまであったコミッショナー賞を「ロベルト・クレメンテ賞」と改称し、球界最高の賞としたのだ。いうまでもなく、グラウンドでの活躍に対してはMVP賞がある。しかし、球場の内外のすべてを含めた最も社会的に貢献度の高い野球人への評価を示すものは、これしかない。

 「ゴールデンスピリット賞」は、まさにその日本版である。早いもので、今年が19回目。これまでの受賞者から若者たちが受けた刺激の大きさは計り知れない。スポーツ選手とは、実人生の実時間をもってファンに訴えるヒーローだ。今年、この高い精神を受け継ぎ、球界の頂点に立つニュースターは、どの球団の誰なのか。発表が待たれる。

 選考委員プロフィール

大塚 義治 日本赤十字社副社長

熊崎 勝彦 プロ野球コミッショナー

佐山 和夫 ノンフィクション作家。米大リーグに造詣が深い。ゴールデンスピリット賞の提唱者の一人。

長嶋 茂雄 読売巨人軍終身名誉監督。現役時代のチャリティー活動が評価され、1983年に日本のプロ野球人として初めてローマ法王ヨハネ・パウロ2世に謁見(えっけん)した。88年バチカン市国からバチカン有功十字勲章を受章。

丸山 伸一 報知新聞社代表取締役社長

三屋 裕子 日本バスケットボール協会会長。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会顧問。バレーボール女子日本代表としてロス五輪銅メダル。(敬称略・50音順)

 セ・リーグノミネート選手

 筒香 嘉智 (DeNA/外野手) 14年オフにドミニカ共和国で行われたウィンターリーグ視察の際、野球が盛んでありながら用具が不足しているのを目の当たりにし、支援を開始。同国とグアテマラ共和国、エクアドル共和国にNPO法人「BBフューチャー」を通じ用具を提供している。

 東出 輝裕 (広島/1軍打撃コーチ) 09年オフに若手選手たちに呼びかけ、広島赤十字・原爆病院の小児病棟を共に訪問。翌年からは球場招待も実施している。現役引退後も活動を続け、昨年で8回目を迎えた。この間、延べ30人の選手が参加している。

 大野 雄大 (中日/投手) 社会福祉法人愛知県母子寡婦福祉連合会を通じて、ひとり親の家族をナゴヤドームの試合に招待する「大野雄大招待プロジェクト」を今年から開始。観戦チケットに加え、お弁当、ソフトドリンク、応援グッズもプレゼント。これまで60組を招待している。

 大引 啓次 (ヤクルト/内野手) 11年から小児がん専門治療施設「公益財団法人がんの子どもを守る会」と「NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス」へ年間の安打数と犠打数、犠飛数に応じて寄付を続けている。昨年まで693万円を寄付。

 村田 修一 (巨人/内野手) 06年に生まれた長男が低出生体重児だったことから08年に新生児医療への支援を開始。12年からは「ささえるん打基金」と題し、1打点につき1万円を寄付。少しでも多く支援しようと14年からは1安打につき1万円に変更した。

 岩田 稔 (阪神/投手) 自身が高校2年時に発症した1型糖尿病の患者のため、09年から毎年1勝につき10万円を「1型糖尿病研究基金」に寄付。16年までに430万円に達した。また08年から患者と家族400人以上を試合に招待している。

 パ・リーグノミネート選手

 嶋 基宏 (楽天/捕手) 15年から自身のヒット1本につき1万円を、仙台市の「ピンクリボンフェスティバル」支援金として日本対がん協会に寄付。また今季からは障害児とその家族をKoboパーク宮城の「嶋ルーム」へ招待するなど、活動は幅広い。

 田中 賢介 (日本ハム/内野手) 08年から12年まで行ってきた乳がんの早期発見・治療を啓発するピンクリボン活動を、日本球界に復帰した15年から再スタート。16年からは守備機会1回と1安打につき2人分ずつの乳がん検診料を負担している。

 中田 翔 (日本ハム/内野手) 今シーズンから札幌ドームの主催58試合で、北海道内のひとり親家庭を招待する「絆シート」を設置。またファーム本拠地のある千葉県鎌ケ谷市のひとり親家庭を東京ドームに招待し、交流を図っている。

 西 勇輝 (オリックス/投手) 11年から登板試合での投球1球につき1本(勝利投手の場合は2倍)のポリオワクチンをNPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」を通じて寄付する活動を開始。昨年までに42万5000円を寄付。

 秋山 翔吾 (西武/外野手) 自身もひとり親家庭に育った経験から、15年から埼玉、東京、神奈川、群馬のひとり親家庭の親子を、年間160人招待。試合前には招待者とサイン会や撮影会で交流している。

 炭谷 銀仁朗 (西武/捕手) 15年から、難病の子や障害児らとその家族を試合に招待したり、小児科病棟や障害児入所施設などを慰問している。またファンも参加できるファンドレイジングサイトを利用し、自らの成績に応じた寄付も行っている。

 工藤 公康 (ソフトバンク/監督) 昨年から熊本地震と福岡豪雨水害に対して、個人として義援金や寄付、被災地訪問や学校訪問を行った。福岡市立こども病院や九州大学病院小児医療センターへの激励訪問なども行っている。

 稲葉 篤紀(日本ハム/スポーツ・コミュニティ・オフィサー) 09年から14年の引退まで、1安打につき1万円を小児用救急救命キットのために積み立て、627万円を贈った。10年からは道内の全小学校にリレーバトンを、少年野球1000チームにボールケースを贈呈する活動を、現在も続けている。

井口 資仁(ロッテ/内野手) 各地の児童養護施設に寄付、訪問、野球教室の実施を行う。また被災地への支援をファンにも呼びかけ、各地へ義援金や車いすなどを贈っている。さらに野球振興のため、野球教室実施にも力を注いでいる。

 ◆阿部雄二賞 2001年4月9日、本賞を第1回から協賛している株式会社サァラ麻布の代表取締役社長・阿部雄二氏が逝去。同氏の遺志として3000万円が報知新聞社に寄贈された。報知新聞社はその遺志を尊重し、長く後世に伝えるため「阿部雄二賞」を創設した。

主催 報知新聞社

後援 一般社団法人 日本野球機構

協賛 株式会社サァラ麻布

   キヤノンマーケティングジャ

   パン株式会社

   株式会社トーヨー建設/株式

   会社トーヨーエネルギーファ   ーム

   保険情報サービス株式会社

   株式会社岡田製作所

 ◆ゴールデンスピリット賞 日本のプロ野球球団に所属する人の中から、積極的に社会貢献活動を続けている人を表彰する。毎年1回選考委員会(委員名別掲)を開いて、球団推薦と選考委員推薦で選ばれた候補者から1人を選定する。欧米のスポーツ界では社会貢献活動が高く評価され、中でも米大リーグの「ロベルト・クレメンテ賞」が有名で、球界での最高の賞として大リーガーの憧れの的になっている。日本では試合での活躍を基準にした賞がほとんどで、球場外の功績を評価する表彰制度は初めて。いわば「球場外のMVP」。受賞者にはゴールデントロフィー(東京芸術大学名誉教授・絹谷幸二氏作成のブロンズ像)と阿部雄二賞(100万円)が贈られる。また受賞者が指定する団体、施設などに報知新聞社が200万円を寄贈する。

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