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「日本サッカーのレベルは落ちた」ある代表OBの言葉

2018年4月18日16時0分  スポーツ報知
  • 解任されたハリルホジッチ氏

 ある日本代表OBの言葉に、衝撃を受けた。日本代表はW杯の“常連”となり、欧州各国リーグでプレーする日本人選手は年々増え続けている。日本のレベルは、以前より上がっていると思い込んでいた。それでも、引退してピッチを離れた元代表選手の目には、日本サッカーのレベルが下がったと映っていた。「サッカーをする上で、大事なものが失われてきている気がしますよね。今まで日本が武器にしてきた部分が…」。

 日本を飛び出して海外でプレーする選手たちは、まず外国人選手の自己主張の強さに驚くことが多いと聞く。日本人も、世界で戦うためにもっと自己主張を―。これは海外組が増えて以降、日本サッカー界に根付いた風潮だろう。前述の代表OBは、その点がいき過ぎているのではないか、と疑問に感じていた。

 「じゃあ、海外では監督の求めるサッカーはできません、この監督とはやれません、と自己主張するのが当たり前なのか。そんな選手が、チームから外されるのは当然でしょう」。

 もちろん自己主張は必要だが、チームの方向性を決めるのは監督だ。日本人、日本サッカーの良さは、技術の高さや器用さに加え、協調性や自己犠牲心の高さではなかったのか。“個”が強調される一方で、以前は持っていた日本人の強みが薄れてはいないかと、前述の代表OBは感じていた。

 ハリルホジッチ監督の解任理由に、日本サッカー協会の田嶋会長は「(選手との)コミュニケーション、信頼関係が薄れてきた。それが最終的なきっかけ」と語っている。選手たちと信頼関係を構築できなかったハリル、その間に入れなかった協会、そして選手。すべてに責任はある。検証は必要だが、もう前を向いて進むしかない。

 急きょ誕生した西野ジャパンは、パスサッカーをつくりあげるといったような戦術面を突き詰める時間はほとんどない。今からできることは決して多くはないが、日本人の、日本サッカーの良さを思い出すことはできるはずだ。西野新監督の決めた方向性に向かって、攻守で走り、戦う日本代表がロシアで見たい。(記者コラム・金川 誉)

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