【なでしこ 黄金時代の終焉】(1)世代交代失敗の真相

2016年3月8日10時0分  スポーツ報知

 ◆リオデジャネイロ五輪女子サッカーアジア最終予選第4節 日本6-1ベトナム(7日・キンチョウスタジアム)

 なでしこジャパンが4大会ぶりに五輪出場を逃した。2011年ドイツW杯優勝、12年ロンドン五輪銀メダル、15年カナダW杯準優勝と世界の頂点を争ってきたチームは、なぜアジアで苦戦を強いられたのか。スポーツ報知では「なでしこ 黄金時代の終焉(しゅうえん)」と題し、敗因を検証する。第1回は「世代交代失敗の真相」に迫った。

 「代表に行かなくてもいいですか?」

 ある若手選手は、所属クラブのスタッフにこう訴えた。1人の選手に限った話ではない。「ボールが来ない」と嘆く選手もいた。ロンドン五輪後、代表チームはいつしか一部にとって「行きたくない」場所になっていた。

 世代交代の失敗が、ボディーブローのように響いた。他国のベンチ入り平均年齢が24歳前後に対し、日本は27・1歳。10日間で5試合を行う過密日程で、初戦からフル稼働を強いられたベテランの運動量は低下。佐々木則夫監督(57)は選考理由で「プレッシャーがかなりかかる予選。経験値を生かしてもらいたい」と話したが、裏目に出た。

 20人中14人が11年ドイツW杯組で、新たに入ったのは6人。12年のU―20W杯で3位に入った“ヤングなでしこ”世代を始め、才能ある若手もいた。だが4年半、なぜ育たなかったのか。

 背景にはドイツ組の強すぎる結束があった。日の当たらなかった時代を耐え忍び、世界一に上り詰めた“戦友”だけが持つ独特の一体感。そのなかで若手は戦術になじむのに時間を要するばかりか、選手間ミーティングやロッカー室での会話、宿舎での日常生活…。至る所で“疎外感”を感じた。持ち味を出せないまま評価されず、代表活動後に精神的なスランプに陥る選手もいた。

 もちろん、それを押しのける強烈な個性や実力を持った選手が現れなかった事実も無視できない。佐々木監督も最終的にはドイツ組と一蓮托生(いちれんたくしょう)を貫くしか道がなかったが、同じ顔ぶれのまま相手に研究され、年齢と勤続疲労を重ねた。予選敗退は、いつか訪れる必然の結果だった。(特別取材班)

なでしこジャパン
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