安藤梢、なでしこジャパンを再び世界一に…来年35歳も「衰えてる感ない」

2016年12月31日11時0分  スポーツ報知
  • 筑波大でインタビューに応じた安藤

 なでしこジャパンは今年、4大会ぶりに五輪出場権を逃し、4月に高倉麻子新監督(48)が就任するなど激動の一年となった。初の世界一に輝いた2011年のドイツ女子W杯から5年。当時の優勝メンバーでドイツ1部・エッセンのFW安藤梢(34)がスポーツ報知のインタビューに応じ、自身の現状や転機を迎えつつある代表、女子サッカー界への思いを語った。(取材・林 直史)

 ―昨年10月にフランクフルトからエッセンに移籍して、今季が2シーズン目。

 「昨年より今年の方がチームにフィットできてるかなと思います。私が最年長で10代の子もたくさんいて、かなり若いチーム。波に乗るとすごく勢いがあるんですけど、ちょっと不安定なところがあるので、もっと自分が経験を出してまとめたいなと思います」

 ―昨夏のカナダW杯で骨折した左足首の影響は?

 「全然気にせずプレーしています。今年の夏に(左足首の)プレートを取って、違和感も取れました。筑波大でリハビリさせてもらって、いろんな方にお世話になった。リハビリ期間に上半身を意識してやったので、復帰後にヘディングや空中戦が強くなったり、キープする時に余裕が出た。明らかに服もきつくなりましたね」

 ―3月のリオ五輪アジア最終予選では有力視されたメンバー入りがかなわず、チームも出場権を逃した。

 「コンディションも良かったし、リハビリも五輪に向けてやってきた。選ばれなかった時はすごいショックでしたけど、勝ち抜いてくれればチャンスがあったので、祈るような思いで応援していました。ドイツでリアルタイムで見ていたんですけど、震えましたね。ずっと一緒にやってきたメンバーの試合後の表情を見て、悔しいというか複雑な思いでした」

 ―リオ五輪で初優勝したドイツで実際にプレーしていて、感じる強さの理由は?

 「昔は速くて強いというイメージだったのが、最近は技術もある選手がどんどん出てきて、本当に脅威。何年か前に若い選手を育てるためにU―17のブンデスリーガができた。リーグ戦中も月に1回は必ず代表が集まっていて活動が多い。日曜日に試合があっても、代表選手が水曜や木曜に帰ってきても全然OKで。フィジカルのテストや強化合宿もやっていますね」

 ―代表活動の回数の少なさは日本の課題。

 「これだけドイツがやってるのを見ると、日本も負けてられない。強豪国がやってるんですから、選手としてはやりたいですね」

 ―なでしこジャパンは五輪予選後に新体制に移行した。19年フランスW杯や20年東京五輪に向けて復帰への意欲は?

 「選ばれたいって思いますね。サッカーをやっている以上は呼ばれたいと思って取り組んでます。でも東京五輪というよりは一年一年、勝負していって、チームで結果を出すことで、チャンスが来た時にアピールできたら」

 ―女子サッカーが再び盛り上がるために。

 「五輪やW杯に出て結果を残し続けることが必要。99年に最初に代表に選ばれた時は新聞に全く出なくて、両親も試合の結果が分からないぐらいだった。(11年)W杯の後と今でも全然違うし、いっぱい記者の方が来てる時も冷静でしたね。結果を出さないと取り上げてもらえないのを目の当たりにしてきたので、常に危機感はありました」

 ―来年は35歳。今後は年齢との闘いにもなる。

 「自分の中でも楽しみ。正直、衰えてる感がない。持久的なトレーニングも先頭の方を走れている。逆に精神面で安定して、チームが必要なプレーができたり、充実してやれている感じがあります」

 ―体調管理は以前から人一倍、気を使っていた?

 「99年の米国W杯の時にメンバーから外れて、サッカーをするのがつらかったんですが、筑波大でいろんな先生や先輩に出会って、生活やトレーニングを全て見直した。21歳ぐらいで『チーム梢』を立ち上げて、睡眠と食事とトレーニングと継続してやってきたので、この年齢になってもやれると思うんです。それが自分の強み。やってきたことを生かして、まだまだできるというのを見せたいですね」

 ドイツW杯優勝メンバー21人のうち、昨季で澤さんや海堀さん、今季限りで丸山がユニホームを脱ぐなど、5人が引退の決断を下した。11月に岡山湯郷を退団し去就が未定となっている宮間を含めても、現在もプレーしている選手は34歳の安藤を筆頭に16人だ。

 実績のあるドイツW杯組には、19年フランスW杯や20年東京五輪での活躍が期待される選手も多い。当時率いた佐々木則夫前監督(58)の後を継いだ高倉監督の初陣となった6月の米国遠征には永里、阪口、宇津木、熊谷、岩渕が招集。国内組から唯一の選出となった阪口は澤さんの背番号10を託されるなど期待を受けている。

 年内最後の代表活動となった12月の国内合宿には鮫島と上尾野辺も選出。新体制となり世代交代が叫ばれる、なでしこジャパンだが、ドイツW杯組の経験値も世界一奪還へ欠かせない。

 ◆安藤 梢(あんどう・こずえ)1982年7月9日、宇都宮市生まれ。34歳。筑波大在学中の02年、さいたまレイナス(現浦和)に加入し、09年になでしこリーグ得点王とMVP。10年からデュイスブルク、13年にフランクフルトに移籍し、15年に女子欧州CL制覇。同年10月にエッセン移籍。代表では99年6月に16歳でデビューし126試合19得点。五輪とW杯は3度ずつ出場。165センチ、57キロ。

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